メコンデルタでの農業の大規模化へ向けて

(VOVWORLD) - ドンタップ省はメコンデルタ各省の中でも農地が最も広いところですが、それぞれの農家は平均1440平方メートルの耕作地しかしありません。

農業生産に関する農家の意識を変化させるプロセスにおいては、生産拡大へ向けての農地集積が重要な方向の1つと見られています。また、これはベトナム農業再構築事業の重要な目標の1つでもあります。

メコンデルタでの農業の大規模化へ向けて - ảnh 1   メコンデルタの田んぼ(写真:http://tiepthithegioi.vn)

現在、南部メコンデルタで実施されている農地使用範囲を制限する政策いわゆる「限田策」の緩和はその目標の達成に役立ち、農民に利益をもたらしていると評価されています。

ドンタップ省タムノン県フークオン村に住む農家のグエン・バン・カインさんは120ヘクタールの農地があり、省内の最も広い農地を所有する農家となっています。以前、カインさんはあちこちに点在する狭い農地で耕作してきしたが、土地を集中させるために、農地を借りたり、交換したり、他の人に頼んでその人の名義を地主として利用するなどして、様々な措置をとっていました。しかし、カインさんは「これらは一時的な方法に過ぎない。農家らが安心して生産を行うためには、さらに限田策の緩和を具体化させていく必要がある」と指摘し、次のように語りました。

(テープ)

「広い農地を集中させたら、機械化に投資しなければなりませんね。これはもちろん、小規模な生産より効果が高いですが、農家らがさらに生産に投資するためには、具体的な奨励措置をとる必要があると思います。」

ドンタップ省はメコンデルタ各省の中でも農地が最も広いところですが、それぞれの農家は平均1440平方メートルの耕作地しかしありません。その上で、その土地があちこちに点在していることから、機械化が難航しています。こうした中、生産規模の拡大のためには土地集積は効果的な方法と見られています。現在、省内の多くの農家は土地集積で成功を収めていますが、農産物のバリューチェーンづくりや、労働力、社会福祉問題解決に関する計画を立案する必要があると指摘されています。ドンタップ省党委員会のレー・ミン・ホアン委員長は、「農業再構築事業において、限田策の緩和は生産にてこ入れするものとしての役割を果たすと同時に、農家らの考え方の刷新に役立つ」との見方を示し、次のように語りました。

(テープ)

「農家らが力を合わせるような奨励をする必要があります。また、リスクマネジメントもしなければなりません。現在、我が省が実施している農業共同生産組合のモデルは土地集積や、大規模な田んぼづくりを目指すものです。」

実際、ドンタップ省は、土地集積が他の地方よりも早くから実施されてきました。およそ10年前から、ロンスエン地方や、ドンタップムオイ地方の多くの農家は農地を数十ヘクタールの規模に拡大させてきました。これは、農業の機械化や、科学技術の導入、商品生産などに役立っています。これに関し、アンザン省の企業「ロクチョイ」社のフイン・バン・トン社長は次のように語りました。

(テープ)

「政府が国会に対し、さらに限田策を緩和させていくよう説得することができることを望んでいます。これは大規模な農業生産や、機械化、農業の近代化、新農村づくり運動などの促進に貢献するからです。」

西南部指導委員会の統計によりますと、土地集積や、大規模な田んぼという新しい農業生産モデルは効果をあげています。具体的には、1ヘクタール当たりのコストが10%ないし15%削減され、生産量が20%ないし25%増加しています。したがって、農民の1ヘクタール当たりの収益額が750万ドン(約3万7500円)増えているということです。こうした中、今後も、限田策がさらに緩和され、大規模な田んぼづくりや、土地集積、農業生産の商品化・機械化、農産物の競争力の向上などに貢献することが期待されています。

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