ザオトゥイ県の郷土博物館



ベトナムでは都市部には博物館がたくさんありますが、農村部にはめったにありません。しかし、ナムディン省の穏やかな農村には北部ホン川デルタの農民の生活を反映する博物館があります。この博物館は復員軍人であるホアンキェン少将が生まれた故郷に建設されたものです。

ザオトゥイ県の郷土博物館 - ảnh 1
(写真:suckhoedoisong.com.vn)

ナムディン省の省都ナムディン市から40キロ離れたザオトゥイ県ザーティン村には郷土博物館があります。広々とした田園の中に位置するこの博物館は地元の人々をはじめ、北部ホン川デルタの農民の生活を再現する場所となっています。

現場の音

博物館には池、魚のリフトネットなど農民が昔から使用してきた農具などが置かれてあります。博物館の敷地内にはティ(学名:カバイロクロガキ)という木、水翁(すいおう)の木など、北部デルタの農民がよく植えている木々を見かけます。博物館の周辺には農民や地主・小作人の家屋が建てられています。郷土博物館の案内人 チャン・テイ・フエ( Tran Thi Hue) さんは次のように語りました。

(テープ)

「それぞれの地方によっては地主の家屋が異なっています。ザオトゥイ県における地主の家屋は北部ホン川デルタの他の地方と比べると、小さいです。ここは200年前に開墾された土地ですから、地主でも他の地方と比べると貧しいです」

ザオトゥイ県の郷土博物館 - ảnh 2
(写真:suckhoedoisong.com.vn)

郷土博物館の目玉は中央にある4階建ての建物です。そこは農村に関する代表的な品々が展示されるところです。この建物は現在、ベトナムの農村部によくみかける家屋です。この建物の一階はこの博物館の所有者にかかわる品々と戦争に関する品々が展示され、三階は陶磁器、籐や竹細工が展示されていますが、最も注目すべきところは2階です。先ほどの郷土博物館のガイド人 チャン・テイ・フエ( Tran Thi Hue) さんはさらに次のように語りました。

(テープ)

「二階は郷土博物館の中心的展示スペースです。この展示コーナーのメインテーマは北部デルタの稲です。展示されているのは稲作にかかわる現物です。例えば、土地を耕作する農具や稲刈り、収穫農具などです。

現場の音


ザオトゥイ県の郷土博物館 - ảnh 3
(写真:danviet.vn)

「米搗きに使う木製の臼」、茶碗、かごなど、北部デルタの農村部に住む農民と生産や生活にかかわる品々が展示されています。また、この博物館では、バインチョイやバインガイを自分の手で作る体験ができる他、野菜を栽培したり、魚を獲ったりすることもできます。郷土博物館が設置されたザティン村に住む農民の一人グェン・バン・トゥ(Nguyen Van Tho) さんは次のように語っています。

(テープ)

「この博物館があれば、子供たちが「米をつく木臼」など現在の生活から消えてしまった農具や道具を見る事ができます。周辺の各学校はもちろん、ハノイの多くの学校の生徒もこの博物館に来て、ここに展示されている品々を見るのが大好きです」

郷土博物館は昔と今との架け橋としての役割を担っているといっても過言ではないでしょう。


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