南部ティンザン省ゴーコン町は現在もなお昔ながらの街並みが残されています。この町にはゴーコン町ならでは独特な建築様式を持つ多くの旧家があり、他のベトナムの都市で見ることはできません。

現在ティンザン省に残されている旧家350軒のうちの3分の２はゴーコン町にあります。これらの旧家や私邸は セメントやコンクリートではなく、樹木から作られた接着性レジンと煉瓦で建てられました。ゴーコン町の旧家の建築様式は中央に大きな部屋があり、その真ん中に先祖を祀る祭壇を据え、両脇を客間として使うスペースがあるというものです。さらに、左右に１部屋ずつある造りでした。この建築は中部にある旧家の建築様式とフランス風の建築様式の結合です。


ゴーコン町に最も有名な旧家として挙げられるのはハイというフランス植民地時代の役人である総督の私邸です。この旧家はフランスのロマン派の建築様式を持つものの室内装飾は南部のものです。この旧家は1890年に建てられ、中央に大きな建物と、左右に１部屋がある他、米を備蓄する倉庫があります。

現在、ゴーコン町には地元の住民が建てた旧家の他、南部の傀儡政権により建てられた役所、村集会所、廟なども残されています。例えば、130年前に建てられた省知事の私邸、グェン王朝時代のトゥ・ズ皇太后のお墓、ベトナムの民族英雄チュオンディンのお墓などです。ゴーコン町の市民ファン・バン・ミン ( Phan Van Minh) さんは次のように語りました。

（テープ）

「ゴーコン町の住民の一人として、この町で独特な建築様式を持つ多くの旧家が残されていることを誇りに思っています。ティンザン省行政府はこれらの旧家を維持、保存するため投資する必要があると思います。これは観光客の誘致にも役立つからです」

ゴーコン町にある旧家はいずれも地元の人々により、きちんと保存されています。ゴーコン町文化情報室のファム・バン・チン ( Pham Van Chinh) 室長は次のように語りました。

（テープ）

「旧家を始め、ゴーコン町にある遺跡を保存、修復するのは重要な任務です。毎年、私たちはその修復作業におよそ10億～20億ドンを投資しています。また、これらの旧家を観光ルートの企画にも盛り込みました」

ゴーコン町の住民は先人たちが残した建築物の維持、保存に全力を尽くしています。