ヌン族の民謡


少数民族ヌン族は、豊富で魅力的な民謡を歌うことで知られています。ヌン族は、民謡を男女の恋愛感情を示す手段と見なしているので、心の底まで響くほど歌います。

(民謡の歌)

ヌン族の民謡は、日常生活の中から生まれたもので、人の気持ちや考えのほか、ヌン族の習慣や次の世代に伝えるべき習い事も含まれています。ヌン族の民謡は、物語や歌垣など種類はたくさんあります。そして、ヌン族は多くの地方に居住しているので、地方によって歌い方や歌詞、メロディーは様々です。ヌン族の一人ヌン・ファン・シンさんは次のように話しています。

(テープ)

「民謡の歌詞はよく教訓めいた価値がありますので、代々伝わっています。私は民謡を教えてもらったことがなく、祭りなどで聞いて自然に覚えました。ですから、いつまでも忘れられません。民謡の歌詞は人間の道徳を教えるものもあれば、労働における経験を含むものもあります。例えば、種を蒔く時、手はどうやって動かしたらいいのかという経験を歌詞に取り入れられました。」

ヌン族の民謡 - ảnh 1
民謡を歌っているヌン族の人たち

文字がないヌン族は、民謡を口承で次世代に伝えています。そのため、民謡は各世代の作品で、絶え間なく充実されています。それぞれの世代に編集・追加された民謡はその歌詞が豊富で、全て覚えられるのは無理です。ヌン族の一人テン・ティ・フォンさんは次のように語っています。

(テープ)

「ヌン族の民謡を覚えるのは難しいです。文字がないので、親から口承で子供に伝えています。親から1字1句の言葉を教えてもらって覚えていますよ。」

ヌン族の民謡の中、「スリ」という民謡が独特さを持っていると言われています。「スリ」は自然や具体的なものについて歌うものですが、それを通じて、人間の気持ち、愛情、希望などを示唆します。この「スリ」は、男女の歌垣でよく歌われ、楽器などを使いません。また、少なくとも男性一人と女性一人がいれば、どこでも歌えるのは「スリ」の特徴の一つです。「スリ」を歌う時、自分の歌声を聞かせるというより、自分の気持ちを表すのが重要なのです。ヌン族が多く居住しているランソン省の文化担当者ホアン・ヴァン・パオさんは次のように語りました。

(テープ)

「ヌン族は、畑や市場などどこででも「スリ」を歌います。男性が女性を見ると、歌いたくなるという気持ちがあるからです。それは「スリ」の特別な点です。」

ヌン族は豊かな民間芸能で知られていますが、その芸能の中で、最も重要なのが民謡です。ヌン族の村に行けばわかりますが、いつもこうした民謡を聞こえています。

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