少数民族クホ族とは


少数民族クホ族はベトナム中部高原地帯テイグエン地方に居住している民族です。クホ族は他の民族から離れた高い山に住んでいる関係で、昔ながらの多くの風俗習慣や信仰などを今もなお保っています。

クホ族の言語はモン・クメール語系に属します。この民族はもともと文字がありませんでしたが、近年、クホ族の言葉がアルファベット表記されるようなりました。

少数民族クホ族とは - ảnh 1
クホ族の祭り

2009年の国勢調査によりますと、クホ族の人口は16万人以上で、その中の87%はテイグエン地方のラムドン省に住んでいます。そのほか、中部のビントゥアン省、カインホア省、ニントゥアン省、及び、南部のドンナイ省にもいます。そのため、居住地区によって、クホ・スレやクホ・トリン、クホ・チルなど多くのグループに分けられています。

クホ族の本業は農業と畜産ですが、織物や鍛冶業、籐細工などを副業としています。

クホ族は元々多神民族ですが、今も様々な神様を祭っています。文化研究者のグエン・ヴァン・ゾアンさんは次のように話しています。
(テープ)

「昔から、クホ族は、すべてのものは超自然的な力によって左右されていると考えています。例えば、天は人間を守るのに対し、悪魔は人間に被害を与えるということです。その他、クホ族は太陽の神様をはじめ、月の神、山の神、川の神、土の神、稲の神様などを祀っています。現在も、クホ族は、結婚式や葬式、収穫祭などの行事はもちろん、病気の時にも、これらの神様を祀る儀式をよく行っています。」

稲作を大切にしているクホ族は、田植えの儀式や新米祭りなど稲の神様を祀るいろいろな行事を行っています。また、稲が順調に成長するために、雨乞いや稲の成長祭りなども行います。

また、クホ族は豊かな文芸で知られています。その中で、6個からなる銅鑼のセットはクホ族の行事に欠かせないものです。

少数民族クホ族とは - ảnh 2
クホ族の銅鑼のセット

クホ族の社会は母系系で、「村」の単位からなります。村の頭は村をまとめる象徴で、威信の高いお年寄りがなります。各家族は氏族に基づいて一緒に大きな家に住んでいます。クホ族の家は木造の高床式の家で、屋根は藁葺きです。家の中にはいつも、囲炉りがあり、家族の主な活動は囲炉りの周りで行われます。

母系社会のクホ族は、結婚において女性が主体的です。女性の家族は男性の家族の要求に応えなければなりません。男性が健康であればであるほど、男性の家族の要求が大きくなり、女性の家族にとって大きな負担になります。結婚後、花婿は女性の家族に住むようになり、子どもは母親の苗字を持ちます。そして、家族の財産を相続するのは娘だけです。

現在、結婚に関するクホ族の習慣はほとんど保たれていますが、女性の家族の負担を軽減させる傾向があります。クホ族の一人クブレルさんは次のように話しています。
(テープ)

「クホ族の人々は他の民族とよく接することができるようになったので、習慣がよくなりました。例えば、女性の家族は依然として、男性の家族の要求に応えなければなりませんが、女性の家族の経済的余裕に基づいて求められます。女性の家族が応えられなければ、男性の家族が補助するのが今は一般的です。」

こうしたクホ族は、現代生活のよさを取り入れながらも、良き伝統文化を守っています。


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