フランスとドイツの協力関係

(VOVWORLD) - イギリスのEU離脱後、ポピュリズムが全域に広がっている中で、フランスや、ドイツなどEU内のけん引役を果たす大国にとって、EUが崩壊しないように新しい土台を作り出すことは重い任務となっています。

フランスのマクロン大統領は就任直後の15日にドイツを訪問し、メルケル首相と会談しました。マクロン大統領が日増しに広がっているポピュリズムに対抗するために欧州の歴史的な再建を呼びかけている背景の中での訪問は、フランス・ドイツ関係だけではなく、EU=欧州連合内の協力の深化に寄与するものと評されています。

フランスとドイツの協力関係 - ảnh 1 5月15日にベルリンで会った独仏首脳(写真:THX/TTXVN

ドイツはフランスの多くの首脳にとって、就任後の初の訪問先となっています。フランスのド・ゴール将軍とドイツのアデナウアー首相がエリゼ条約に調印した1963年からこれまで、フランス・ドイツ関係は、両国の外交関係の重要な柱の1つとなり、欧州統合の原動力に発展してきました。

こうした中、今回のマクロン大統領のドイツ訪問も両国関係の重要性を強調するものと見られています。両国は安全保障や、経済、投資、社会保障などの優先課題の解決のために協力したい意向にあるとされています。

 

フランスの対外政策の優先課題

現在、欧州にとって、差し迫った問題は経済発展や、安全保障であるだけではなく、域内の統一・団結でもあります。イギリスのEU離脱後、ポピュリズムが全域に広がっている中で、フランスや、ドイツなどEU内のけん引役を果たす大国にとって、EUが崩壊しないように新たな土台を作り出すことは重い任務となっています。

そして、マクロン氏は選挙戦からこれまで、親EU姿勢を示し、域内の貿易統合と団結の強化をアピールしてきました。同氏のEU統合の観点から政策を見れば、ユーロ圏の共同財務相ポストの新設、共通予算の設立といったユーロ圏の統合深化政策が中心です。

マクロン氏は選挙戦からこれまで、親EU姿勢を示し、域内の貿易統合と団結の強化をアピールしてきました。同氏のEU統合の観点から政策を見れば、ユーロ圏の共同財務相ポストの新設、共通予算の設立といったユーロ圏の統合深化政策が中心です。

特に、14日の就任式で、マクロン氏は「EUを立て直し、再始動させる」と宣言しました。さらに、15日、ベルリンで行われたドイツのメルケル首相との会談で、両首脳は欧州のけん引役の両国が諸課題への対応で緊密に連携していく方針で一致しました。

 

EU発展方向を定めるために協力するドイツとフランス

マクロン大統領が積極的な姿勢を示しているEU改革に関して、マクロン大統領とメルケル首相は、関連条約改正の可能性も排除せず、協議を重ねることを確認しました。

メルケル首相は会談後の共同記者会見で、「イギリスのEU離脱問題に取り組むだけでなく、EUとユーロ圏を危機に強くする方法も考えなければならないという確信を共有している」と説明し、両国政府でEU改革の行程表を作ることも明らかにし、マクロン大統領に足並みをそろえました。

メルケル首相はまた、「先ず何を改革する必要があるのか洗い出したい」とも述べました。マクロン大統領のフランス訪問の前に、ドイツ側は改革に慎重な姿勢を示していましたが、メルケル首相のその発言はフランスとの協調を見せています。

フランスとドイツはEU内のけん引役を果たす国々です。15日にベルリンで交わされた両国首脳の握手は両国間の協力にモチベーションを作り出すだけではなく、今後のEUの発展方向を定めるための土台づくりにも寄与すると期待されています。

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