フランス外相によるキューバ訪問


キューバとEU=欧州連合との関係通常化を目指す交渉が開始されてから1ヶ月あまり経ちましたが、4月12日、フランスのローラン・ファビウス外相はキューバの首都ハバナを訪れました。フランスの外相によるキューバ訪問は31年ぶりのことです。外相には、フランス財界人が同行しました。

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フランスとキューバの両外相(写真:ロイター)


今回の訪問はわずか数時間でしたが、30年間に冷え切っていた両国関係をよい方向に発展させると期待されています。フランスは、他のEU加盟国とともに、2003年からキューバとの関係を中断しました。

3月はじめに、キューバはEUから申し込まれた対話を承諾し、両者の関係通常化を開くことになりました。キューバのラウール・カストロ国家評議会議長は12日、ローラン・ファビウス外相と会談しました。会談では、政治から経済、文化、教育にわたって、多くの分野での両国の協力関係や、国際情勢などについて話し合いました。

両国関係に関しては、投資をはじめとする経済関係強化が中心議題となりました。ファビウス外相は、キューバのブルーノ・ロドリゲス外相、ハイメ・オルテガ枢機卿(ハバナ大司教)とも会談しました。両外相は、アメリカ政府による対キューバ経済制裁を批判しました。

キューバのロドリゲス外相は「今日、われわれは、お互いの関係を発展させることを大きな視野から確認した。2カ国の共通の目的のために働き続けるための配置づくりを確認した」と言いました。

一方、フランス外相は、「キューバの改革事業は正しい方向に進められている」と評価し、1月にハバナで開催されたCELAC=ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体首脳会議の成功を讃えました。

経済関係に関して、ファビウス外相はエネルギーや農業、観光など協力できるような分野を取り上げるとともに、来る5月、フランス政府の代表はハバナで開催される国際観光見本市に臨むと明らかにしました。関係通常化により、キューバとフランス双方とも利益を得られると見られます。

キューバは南米で重要な地位を持ち、経済改革を進めている背景の中で、フランスはキューバとの関係の強化により、地域諸国に対する影響力はもちろん、EUとキューバとの協力関係に対する決定力も高めるようになります。

一方で、キューバはEU加盟諸国との関係改善により、地域と国際社会への参入が図られ、アメリカによる経済制裁の影響から抜け出すことができるとされています。

EUが中南米との関係を模索している現在、フランス外相によるキューバ訪問はEUとキューバとの対話に拍車をかけ、双方の政治協力対話協定の締結や、経済貿易関係の促進などに道を開くでしょう。

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