米中関係について


中国とアメリカとの関係が緊張情勢にあります。その原因の一つとして挙げられるのはベトナム東部海域、いわゆる、南シナ海に関する意見の食い違いによるものです。中国がベトナム東部海域で岩礁の埋め立てを進めていることを前に、アメリカは強固な態度を示しています。


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(写真:AFP)

アメリカが軍事・外交の軸足をアジア太平洋に移すというオバマ政権の「リバランス(再均衡)」政策を実施してから、アメリカと中国の関係には多くの不一致点が浮上しています。


地域の安全保障の威嚇

先頃、中国を訪問中のアメリカのケリー国務長官は北京で中国の習近平国家主席らと会談を行い、中国によるベトナム東部海域での岩礁の埋め立てに「懸念」を伝えると共に、中国に自制を求めました。

一方、中国側は自国領内での行動だと反論していました。中国のオウ・ギ外相は共同記者会見で「中国の主権と領土の一体性を守る意思は岩のように固い」と発言し、緊張緩和を求めるアメリカの要求を拒絶しました。


ベトナム東部海域における紛争が発生するか?

アメリカがベトナム東部海域に関心を寄せているのはこの海域に発生している緊張がエスカレートしていることから生まれたものとされています。この1年間、アメリカの同盟国であるフィリピンは中国がこの海域で人工島を建設していたことを強く非難しており、国際世論の注目を集めています。一方、フィリピンはアメリカに対し、この問題に関する強い立場を示すよう求めました。

重要な海路であるベトナム東部海域で発生するいかなる不安はアメリカを始め、世界の多くの国々に影響を与えます。そのため、アメリカと中国との関係に重要な問題ではなかったベトナム東部海域は現在、アジアにおけるアメリカの政策の第一の問題となっています。

アメリカ国務省はこの前に、ベトナム東部海域での紛争の解決を外交の優先課題として位置づけました。また、アメリカ政府は中国がベトナム東部海域にADIZ=防空識別圏を一方的に設定することを警戒しており、埋め立て拡大を強くけん制しました。

実際、近年、ベトナム東部海域に関する問題はアメリカの注目を集めました。先頃、アメリカ上院外交委員会は東シナ海とベトナム東部海域の海洋問題についての公聴会を開きました。公聴会で、シアー国防次官補は、「中国がベトナム東部海域で急速に進める埋め立てで、2017~18年には滑走路が完成する」と指摘し、中国が続けている埋め立てが軍事目的で使われる可能性に強い警戒感を示し、「挑発的な行動だ」と批判しました。

この前に、アメリカ軍はベトナム東部海域の航行自由の確保のために中国がベトナム東部海域で建設している人工島から12海里離れた海域で、海軍の艦艇と飛行機を利用して巡査することを検討しました。中国はこれを前に、深い懸念を表明しました。

その他、アメリカは同盟国と協力して、この海域で軍事演習を頻繁に行われています。これは中国の主権の主張にとって大きな試練になっています。アナリストらによりますと、この海域における中国とアメリカとの紛争が発生する可能性があるとしています。


埋め立ては難しい溝

中国とアメリカはベトナム東部海域に関連する問題だけでなく、人権や、サイバーセキュリティーなど様々な問題についても不一致を抱えています。両国は気候変動対応、朝鮮民主主義人民共和国、イラン核開発問題などで協力していると共に、埋め立てることができない溝は両国関係の特徴の一つです。

アメリカのケリー国務長官と会談を行った際、中国の習近平国家主席は米中関係は「総じて穏やかに発展している」と発言しましたが、その関係を正しい方向に発展させることは簡単なものではないでしょう。


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