米中の貿易摩擦をめぐる問題

(VOVWORLD) - 先週、ワシントンで開いたアメリカ・中国通商協議が修了した後、この問題を巡る緊張は緩和しているとされています。米中両政府は通商協議の共同声明を発表し、積極的な姿勢を示しました。これは双方の大きな努力によるものと評されています。

米中両政府は18日、ワシントンでの2日間の通商協議を終えました。中国側はアメリカ政権が求める貿易不均衡の是正に向け、アメリカの農産物などの大幅な輸入拡大に同意しました。

協議の前に、トランプ大統領は中国からの輸入品最大1500億ドル(約16兆6000億円)相当に関税を課す計画を発表し、中国も同様の対抗措置で臨む姿勢を表明していました。世界1位と2位の経済大国である米中の全面的な貿易戦争突入が近いのではないかとの投資家の懸念は、この協議でひとまず和らぐ見通しです。

トランプ米政権のクドロー国家経済会議委員長は18日のテレビで、「中国はアメリカの多くの要望に応じている」と話しました。同氏によりますと、中国政府は、関税・非関税障壁の低減や、中国市場での技術移転強要の問題などについても前向きに対応する考えを示しました。

しかし、アメリカメディアによりますと、アメリカ側が要求する対米貿易黒字を2千億ドル(約22兆円)削減する数値目標の設定には反対し、最終合意に向けた交渉を継続する見通しです。

これに関連し、ムニューシン財務長官は20日、アメリカ・メディアのインタビューで、「米中は貿易戦争を保留にし、高い関税を課すことを棚上げすることで一致した」と述べ、当面は協議を継続する考えを示しました。

一方、中国共産党機関紙「人民日報」系のネットメディアは、両国の貿易摩擦を「激烈な対決」と表現した上で、「一度や二度の協議で全ての問題を解決することは不可能だ」と分析し、協議が長期化する可能性を示唆しましています。

こうした中、アナリストらは、「最近、積極的な兆しが出ており、双方が貿易戦争の勃発を望んでいないことを示しているが、問題が完全に解決するまでは時間がかかる」と分析しています。

ご感想

他の情報