(NHK)マレーシアのナジブ首相が多額の資金を不正に受け取った疑いが持たれていることを受けて、市民団体が首相の退陣を求め、首都クアラルンプールなどで大規模な抗議デモを行っています。
マレーシアでは、ナジブ首相が、おととし行われた総選挙の直前に、政府系ファンドからおよそ7億ドル(日本円で850億円)の不正な送金を受けていた疑惑が持たれていて、首相に説明を求めた閣僚が事実上解任されるなど、政治の混乱が続いています。
29 日は、クリーンな政治を求める市民団体の呼びかけで、大規模な抗議デモが各地で行われ、このうち首都クアラルンプールでは、主催者の発表でおよそ10万人が集まりました。参加者は、ナジブ首相に刑務所に行くよう求めるバナーを持って市内を練り歩き、首相の退陣を要求していました。
参加した男子学生は、「腐敗した政府を何とかしたいと思い参加しました。多額の金の行方が分からなくなっており、政府の説明では納得がいかない」と話していました。
これまでのところ、デモによる大きな混乱は起きていませんが、警察は、デモが予定されていた一部の区域を封鎖したほか、市民団体のホームページを閲覧できなくするなど、取締りを強化しています。
デモは30日夜まで行われる予定で、マレーシアの日本大使館は、デモに近づかないよう注意を呼びかけています。