京都府内 国宝や重文にも被害

(NHK)今回の地震で、京都府内にある国宝や国の重要文化財にも被害が出ています。
震度5強を観測した京都府大山崎町の教育委員会や府の文化財保護課などによりますと、町内にある寺、「妙喜庵」で、豊臣秀吉が千利休に造らせたとされる国宝の茶室、「待庵」の土製の外壁にひびが入っているのが見つかったということです。
寺によりますと、ひびは縦に2メートルほどあるものの、ただちに壁が崩れるような事態にはなっていないということです。
また、国の重要文化財に指定されている本堂の「書院」で、廊下のしっくいの壁にとりつけられた木製の欄間が外れているのが見つかったということです。
寺の関係者は、「地震で国宝の茶室の壁にひびが入ったのは初めてだ。拝観に来られる方に申し訳ない」と話していました。
また、同じく大山崎町では、国の重要文化財に指定されている、日本の気候風土に適した住宅を追究して建てられた「聴竹居」で縁側の窓ガラスの一部が砕けたほか、外壁の土が崩れ落ちるなどの被害が見つかったということです。
また、震度5弱を観測した宇治市では世界遺産に登録されている平等院の鳳凰堂のしっくいの壁の一部に小さなひびが見つかったほか、府の名勝に指定されている境内の「養林庵書院」で、灯籠が倒れているのが見つかったということです。
このほか、京都市の文化財保護課によりますと、震度4を観測した京都市左京区では、明治時代に建てられ現存する中では最も古い武道場とされる、国の重要文化財の「旧武徳殿」の外壁にも複数のひびが入っているのが確認されたということです。
府の文化財保護課などがそのほかの文化財についても被害がないか確認を進めています。

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