米ペンス副大統領 欧州諸国にイラン核合意の離脱迫る

(NHK) -アメリカのペンス副大統領は中東の安定を話し合う国際会議で演説し、イランを「中東最大の脅威だ」と糾弾したうえで、ヨーロッパ諸国に対し、アメリカに同調する形でイラン核合意から離脱するよう強く求めました。

ポーランドの首都ワルシャワでは14日、アメリカの呼びかけで、中東の安定について話し合う国際会議が開かれました。

このなかで演説したアメリカのペンス副大統領は、内戦が続くシリアやイエメンに、イランが介入して勢力を拡大していると指摘し、「中東の平和と安定にとって最大の脅威だ」と述べてイランを糾弾しました。

そして、イラン核合意を支持するドイツとフランス、イギリスの3か国が、アメリカの制裁を回避してイランとの間で送金を行うための金融システムを確立したことについて、「イランを勢いづかせ、アメリカとヨーロッパの溝を深めるものだ」と述べて、批判しました。

そのうえで、「ヨーロッパ諸国はイラン核合意から離脱し、われわれとともに経済・外交面からイランへの圧力を強める時が来た」と述べ、ヨーロッパ諸国に対し、アメリカに同調してイラン核合意から離脱するよう強く求めました。

トランプ政権としては、対イラン包囲網の構築を目指し各国に方針転換を迫る考えでしたが、イラン核合意を支持するドイツやフランス、EU=ヨーロッパ連合は、今回の会議への外相の派遣を見送っており、アメリカとヨーロッパの溝がかえって浮き彫りになる結果となりました。

米長官「イラン擁護国なし」

会議を主催したアメリカ国務省によりますと、2日間の会議には62か国が参加し、中東でのテロ対策や、弾道ミサイル開発の問題などを議論したということです。会議の結果、参加国はテロ対策など7つの分野で各国による作業部会を設立することで一致したということです。

今回の会議には、イラン核合意を支持するドイツやフランス、EU=ヨーロッパ連合が、外相の派遣を見送り、アメリカとヨーロッパの溝が鮮明となっています。

米ペンス副大統領 欧州諸国にイラン核合意の離脱迫る - ảnh 1     ポンペイオ長官= THX/TTXVN

会議のあと、記者会見したポンペイオ国務長官は、「イランを擁護する国はいなかった」と述べ、会議では各国が一致してイランへの懸念を表明したと強調しました。


一方、今月下旬に行われる米朝首脳会談をめぐり、記者団がイラン核合意を一方的に離脱しながら、北朝鮮に非核化を求めることをただしました。

これについてポンペイオ長官は「われわれは朝鮮半島の軍事的緊張と危険を取り除くために話し合いをしており、北朝鮮とイランは全く状況が異なる」と述べました。そのうえで、「この2週間でできるかぎりのことを達成したいと考えている」と述べ、首脳会談で北朝鮮の非核化を進展させることに意欲を示しました。

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