WTO「実質的合意なし」=米強硬、閣僚宣言採択できず

【時事】WTO=世界貿易機関閣僚会議は13日、加盟164カ国・地域の全会一致が必要な閣僚宣言を採択できず、閉幕しました。アゼベド事務局長は「実質的な合意はなかった」と説明しました。
WTO「実質的合意なし」=米強硬、閣僚宣言採択できず - ảnh 1       (写真:baomoi.com)

多国間の自由貿易体制に懐疑的なトランプ米政権との調整が難航したまま、アルゼンチンでの4日間の協議が終了しまし¥た。
WTOが閣僚宣言の採択を見送ったのは、2011年のスイス・ジュネーブでの会議以来6年ぶりです。議長を務めたアルゼンチンのマルコラ前外相は閉会式で、多国間貿易体制の重要性や協議の継続を訴えた議長声明を読み上げました。
会議ではUSTR=米通商代表部のライトハイザー代表が「現状のWTOルールでは、経済成長を達成できない」と批判しました。インドなど途上国が農業補助金規制の例外措置を要求し、米国など先進国への妥協を拒みました。
日本から参加した世耕弘成経済産業相は閉幕に当たり、全会一致を重視するWTOについて「何も決められない組織として漂流するのではないか」と懸念を表明し、改革の必要性を指摘しました。
一方、会議と並行し、日本とオーストラリアなど70のWTO加盟国・地域が、電子商取引のルールを検討する方針を確認しました。有志国の取り組みなどで進展もありましたが、EU=欧州連合のマルムストローム欧州委員(通商担当)は「(WTOとしての)成果は何一つ得られなかった」と失望をあらわにしました。

ご感想

他の情報