山崎  こんにちは、山崎千佳子です。

ソン  こんにちはソンです。今日は、ベトナム南部のカントー市が進める観光業についてお伝えします。

山崎  前にもハノイ便りで、カントーの観光スポットをご紹介したことがありますね。水上マーケットが有名なんですよね。

ソン そうです。カントー市は南部のメコンデルタにある最も大きな都市です。ホーチミンから車でおよそ５時間で、人口はおよそ120万人です。

山崎 カントー市は省には属していないんですね。ハノイやホーチミンと同じ、中央直轄市になっています。

ソン はい。先ほど山崎さんが言ったように、水上マーケットでも有名ですが、他にも観光スポットがあります。まず、ニンキエウ船着き場です。

山崎 あ、ニンキエウは、前にハノイ便りでカントーを取り上げた時に、そういう曲をかけたような気がします。

ソン 当たりです。ニンキエウ船着き場は、メコン川最大の支流であるハウ川とカントー川が交差するところにあります。カントー市の中心地にも近いです。

山崎 カントー周辺にはいくつか水上マーケットがありますから、たくさんの船でにぎわっているんでしょうね。

ソン はい。果物や農産物など、南部メコンデルタの特産品を載せた多くの小船が一日中、賑やかに行き交っています。ニンキエウ船着き場のすぐそばには、カントー港、港があります。この港は５千トン級の船を取り扱うことができます。

山崎 大小どちらの船も利用できると、経済も発展しますね。

ソン そうなんです。最近では、ニンキエウ船着き場に歩道橋もできました。船着き場とカイケー地区を結ぶ歩行者専用の橋です。

山崎 カイケー地区には何があるんですか？

ソン カイケーは、ハウ川の中州にある島なんですが、レストランやホテルがあります。

山崎 そこに歩いて行ける専用の橋は便利ですね。観光客だけでなくて、地元の人にもいいですよね。

ソン そうなんです。カントー市に隣接するハウザン省から訪れた観光客（ Nguyen Thi Son Ca）の話です。

（テープ）

「この歩道橋は、地元の人や南部メコンデルタの住人の日常生活に便利なだけでなくて、観光の発展にも貢献していると思います。これからもカントー市には、こういうものを作っていってほしいです。」

ソン そして、カントー市の見どころと言えば、カイラン水上マーケットです。

山崎 朝６時頃からお昼ぐらいまでが、活気のある時間帯ということですね。

ソン はい。小さい舟や、全長１０メートルくらいの大きめの船もいて、大小１００以上の船が行き交います。

山崎 大混雑ですね。大きい船は卸売船なんですよね。農家から収穫された野菜や果物を買って、それをまた売ります。船には長い竿が掲げられていて、竿にはスイカやキャベツ、ジャガイモなどがつるされています。これは何を売ってるいるか、の看板なんですね。

ソン はい。大型の卸商船に買い付けの個人ボートが並んだり、コンロ付きの舟で食べ物や飲み物を売ったり、例えばフォーやコーヒーですね、そういう屋台のような舟があったり、ジュースやお菓子を売る雑貨屋などもあります。燃料のガソリンを売る舟もあるんですよ。

山崎 すごい。地上の市場と同じですね。カイラン水上マーケットの他に、フォンディエンという水上マーケットもあります。カイランから船で４０分ほど行ったところにあるそうですが、規模が小さいので大型船はあまりいないようです。

ソン 小さな手漕ぎボートが多いのが、フォンディエン水上マーケットの魅力です。カイランで仕入れた物がたくさん売られています。船に乗る人に食事を提供する屋台の船もたくさんあります。

山崎 こういう水上マーケットに行くと、この辺の文化や生活様式を体感できるでしょうね。食べ物の屋台船では、地元の料理、南部料理ですか？味わえるんでしょうね。

ソン そうなんです。ベトナムのお好み焼き、バインセオや発酵ソーセージを焼いたネムヌオン、南部の筒形ちまきのバインテットなどが、とても安く食べられます。

山崎 水上マーケットとともに外せないのが、果樹園ですね。

ソン そうです。カントーの果樹園の中でも、ミーカインツーリストビレッジ、観光村は有名です。カントー市中心部からおよそ１０キロ離れたところにあります。総面積2ヘクタールのこの果樹園には20種類もの熱帯の果物の木が植えられています。

山崎 この観光村は、日本のガイドブックでも見ます。果物狩りができて、その場でも食べられるんですよね。動物のショーなども見られるそうですし、バンガロータイプの宿泊施設に泊まることもできるそうです。ここで、一曲お送りしましょう。「～」です。

（曲）

「～」をお送りしました。カントー市の2020年までの観光発展計画は、河川と果樹園をメインにしているそうです。

ソン はい。例えば、フォンディエン水上マーケットがあるカントー市フォンディエン県には、果樹園や遺跡など、およそ４０の観光スポットがあって、毎年、多くの観光客が訪れています。

山崎 フォンディエン県人民委員会委員長（ Nguyen Van Su）の話です。

（テープ）

「フォンディエン県はエコツーリズムに力を入れています。常に新しい観光スタイルを考えています。２０２０年を目途に、環境にやさしい地域となれるよう、エコツーリズムに投資を行っている企業などに、投資手続きの簡素化や諸経費の割引など有利な条件を提示しています。」

山崎 エコツーリズムは、観光を通じて環境への理解を深めようという考え方ですね。カントー市はそれに基づいて、観光発展プロジェクトを精力的に展開しています。

ソン はい。ある地区では高級リゾートを、別の地区ではエコツーリズムに特化して、というようにエリア別に整備を行っています。当面は水路を利用する観光ツアーの開発に力を入れるということです。大型客船の造船を進めたりしています。

山崎 カントー市文化スポーツ観光局副局長（ Le Minh Son）の話です。

（テープ）

「観光客がハウ川沿いにある果樹園に行くことが多いので、リバークルーズを兼ねたものに焦点をしぼってツアーを考えています。」

山崎 エコツーリズムにいい条件がそろっているカントーは、高級リゾートも整備されると、ますます、多くの人が訪れるようになりますね。では、おしまいに一曲お送りしましょう。

（曲）

「～」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナム南部のカントー市が進める観光業についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。