酉年の始めに、酉のことを言う


酉年の始めに、酉のことを言う - ảnh 1 
鶏をテーマにしたドンホー版画

 
ベトナムの民間文化には鶏(酉)は多くの歴史伝説につながっています。ベトナム人にとって、身近な動物であることから、鶏はベトナムの伝統的旧正月テトにそれぞれの祭壇に置かれる供え物の中で、欠かせません。ベトナムの言い伝え習慣には2017年は酉年に、多くの新しい事が発生する年だと約束されます。

考古学研究資料によりますと、鶏はベトナムの農業文化の足跡の一つです。紀元前5世紀から紀元1世紀頃までベトナム北部の紅河流域を中心に栄えた初期の青銅器文化の特徴を示すドンソン銅鼓には鳥と鶏の模様が多く刻まれています。また、寺院や神社、社の建築には鳥の模様がよく見えます。百年前に作られたドンホー版画には鶏がいきいきと描かれていました。

昔から、ベトナム人は、「太陽を呼ぶ」という意味で、大晦日の夜に先祖に雄鶏を供養する習慣があります。昔、人々は大晦日の晩は天と地が最も暗い瞬間であると考えたからです。ベトナム人は雄鶏が人間の世界と神様の世界の架け橋であると見なしています。現在、この習慣はそのまま維持されています。ベトナム人は大きくて、元気で、美しい雄鶏を先祖へのお供え物にしています。

昔から、ベトナム人の多くは大晦日に供養するものとして、ドンタオ鶏と呼ばれるベトナム産の鶏(別名をドラゴンチキン)を選びました。この鶏はベトナム北部フンイエン省のドンタオ区を原産地としています。この鶏は太く強い足を持ち、通常の鶏の大きさより、2,3倍大きいです。ドンタオ区に住むグェン・スアン・ベト( Nguyen Xuan Viet) さんは次のように語りました。
(テープ)
「昔、人々はドンタオ鶏は太陽を呼ぶ啼き声がすると信じています。そのため、人々は大晦日に、この鶏を供養します。ドンタオ鶏は貴重な鶏であり、前に、王様に献上するだけに使いました」

近年、北部フートー省スアンソン県の森で偶然に発見された「蹴爪(けづめ)」が9つもあるという野生の鶏が最近、人気の鶏となっています。蹴爪(けづめとは踵(かかと)上部から、外に向かって突き出しているものです。ベトナムのある会社はこの野生の鶏を大量に飼育することに成功しました。この鶏は一羽300万ドン、日本円で約1万5千円という高価のものですが、多くの人々は買いたいです。蹴爪9つあるの鶏を飼育している農園のグェン・ニュ・ソ( Nguyen Nhu So) 園長は次のように語りました。
(テープ)
「このような貴重な鶏の行き先は命日やテト、そして、お嫁さんの家に花婿側が贈るなど特別な時だけに使われます」

鶏はベトナムの多数民族であるキン族だけでなく、他の各少数民族の精神生活や文化生活にとっても親しみ深いものです。テイ族とヌン族の人々は大晦日の夜に、自分の家族の雄鶏が他の家より早く最初に鳴けば、その年の家族は幸運に恵まれると信じています。

そして、旧正月テトに義父母に贈る贈り物として最も意義深いものは雄鶏とされています。モン族の人々にとって、雄鶏は人間と神様との架け橋とされています。

一方、コトゥ族の人々は鶏は太陽の光や活気の表れとされています。そのため、雄鶏は新築、新米がとれたお祝いなど重要な儀式に欠かせないものです。

ベトナムの各家庭は大晦日に供養するため、見た目がよい鶏を買うのは重要なことだと考えられているのです。

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