「宗教とベトナムの宗教政策」をタイトルとした白書

既にお伝えしましたように、3月9日、ハノイで、情報通信省所属対外情報局と政府宗教委員会は「宗教とベトナムの宗教政策」をタイトルとした白書を公表しました。132ページからなる同白書は、ベトナムにおける宗教の概要、ドイモイ事業における信仰宗教に関するベトナム共産党の主張、ベトナム憲法に規定する信仰宗教の自由権、現行の法律に規定される信仰宗教の規定、信仰・宗教の自由権の確保に関するベトナムの成果、課題、優先課題などを紹介しており、ベトナムの宗教信仰の実情を反映していると評されています。

ベトナムの宗教信仰の実情を反映 

毎週日曜日の朝、北部山岳地帯ライチャウ省フォント県フオイルオン村に暮らすプロテスタントの聖職者と信者が集まって聖歌を歌ったり、聖書を読んだりします。この村は少数民族モン族の居住地で、村人の多くがプロテスタントを信じています。村人のリ・ア・フォンさんは家から遠いものの、これまで1回も休まずに、村のプロテスタントのすべてのイベントに参加しました。フォンさんの話です。

（テープ）

「プロテスタントのすべてのイベントに参加することができて、うれしく思います。現地行政府からは大きな支援を受けています。村の宗教施設の設置を許可したほか、悪者の言葉を聴かず、国の政策・主張に従うよう指導してくれています」

フオイルオン村のプロテスタントの宗教活動

現在、フオイルオン村にはプロテスタントの施設が7か所あり、その中で、ポガイ集落の施設は毎週日曜日、約200人の信者を受け入れています。ポガイ集落の施設の担当者リ・ア・ジさんは、村人の宗教活動は現地行政府の支援を受けていると述べ、次のように語りました。

（テープ）

「近年、村の行政府を始め、各レベルの行政府は宗教活動に大きな便宜を図っています。信者たちは聖歌を歌ったり、聖書を読んだりするとともに、農作業と生活についていろいろ手伝っています。例えば、洪水や森林火災への予防対策に関する知見を共有しています」

ベトナムの宗教信仰の自由確保を描写

フオイルオン村のプロテスタント教徒の信仰生活は各宗教の信者2650万人の信仰生活を物語るものです。全国の信仰生活は、「宗教とベトナムの宗教政策」をタイトルとした白書が明確にしている主な内容の一つです。政府宗教委員会のグエン・ティン・チョン副委員長は、ベトナムはこれまで収められてきた成果を基礎に、信仰の自由権を始め、ベトナム国民の基本的権利の保護に尽力していくと明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「ベトナムは、宗教信仰の自由権を含む国民の基本的権利を確保・促進する決意を固めるとともに、オープンな対話を通じて人権と宗教分野における各国および国際組織との協力を効果的に拡大するという方針です。この白書を通じて、ベトナムにおける宗教の概要や政策、信仰宗教の自由権の確保における成果、信仰宗教の自由権の確保において直面している課題などに関する基本的な情報を提供することができることを期待しております」

「宗教とベトナムの宗教政策」をタイトルとした白書はベトナムの宗教信仰の実情を描き出し、国内外の人々にベトナムの宗教信仰の自由確保を理解してもらえることでしょう。