ロシア・ウクライナガス交渉を巡る問題


ロシアからウクライナへの天然ガス供給問題をめぐる協議で、両国が最終合意に至らなかったことが明らかになりました。両国はEU=欧州連合の仲介で交渉していましたが、欧州委員会のエッティンガー委員によりますと、29日にブリュッセルで再度協議する予定だということです。


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ウクライナのガスパイプライン

ロシアが6月に停止したウクライナへの天然ガス供給の再開問題を巡り、両国とEUは21日、ブリュッセルで、閣僚級の3者協議を開きましたが、最終合意を達成できませんでした。ロシアがウクライナのガス代金の支払い能力に懸念を示したためだと評されています。

3者協議にはロシアのノワクエネルギー相、ウクライナのプロダンエネルギー相、EUのエッティンガー副委員長が参加しました。


圧力を加えるロシア

ウクライナがガス代金の未払い金として31億ドル(約3300億円)を年末までに支払うことを条件に、今年の冬に天然ガス1000立方メートルあたり385ドルで供給することでは合意しましたが、ガスの供給量は固まっていません。 焦点となっているのはウクライナの資金力とみられました。

ロシアのノワクエネルギー相は記者会見で「ウクライナは資金調達の財源を明確にできていない」と注文を付けました。ロシアはウクライナに対し、ガス代金の未払い金だけでなく、今年11月から12月分に供給するガスの前払いについてもEUなどの保証を要求しました。

ウクライナは EUに対して20億ユーロの追加支援を求めていますが、EU側は現段階で明確な方針を固めていません。EUのエッティンガー副委員長は「次回は最後の3者協議にしたい」と述べ、29日の最終合意は可能との見方を示しました。


ガス危機を覚悟する欧州

実際、ガス問題はロシアとウクライナ間の問題だけでなく、EU全体に影響を与えるものとなっています。EU経済再生の重要な課題の一つはエネルギー政策の調和です。エネルギー市場は分断されており、ガスと電力の半分以上を輸入に頼るという戦略的な弱点を抱えています。

アナリストらによりますと、効率的なエネルギー政策が必要な理由は2つあります。1つはガスの30%をロシアに依存しており、安全保障上問題があること。2つ目はアメリカでシェールガス革命が進み、アメリカ企業が欧州企業に比べ競争上かなり有利な立場にあることです。

しかし、「エネルギー政策を調和させることは難しい。再生エネルギーをめぐるスペインとフランスの対立はEU諸国がいかに保護主義的になったかを示している」とも指摘しました。

そして、「エネルギー同盟の設立は欧州経済の未来に不可欠だ」とした上で、「当面EUはウクライナの要求にしたがって、ウクライナに追加援助をせざるを得ない」との見方を示しています。

 

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