米国とベネズエラとの関係


アメリカとベネズエラとの緊張関係がさらに増しています。2日、ベネズエラのロドリゲス外相はベネズエラ駐在アメリカ大使に対し、15日以内にアメリカ大使館職員を100人から17人に削減するように求めたと発表しました。これにより、両国関係がさらに悪化すると懸念さています。


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2月28日にカラカスで行われたデモ行進に参加したマドゥロ大統領(写真:ロイター)

既にお伝えしましたように、2日、ベネズエラ側は「アメリカのベネズエラ大使館で勤務する職員と同数にするためで、両国は対等な立場でなければならない」として、同国駐在アメリカ大使に対し、15日以内にアメリカ大使館職員を100人から17人に削減するよう求めました。これに対し、アメリカ国務省は、声明を出し、反発しています。また、ベネズエラのマドゥロ大統領は2月28日、同国を訪れる全てのアメリカ国民にビザ取得を義務付けると発表し、アメリカ外交団削減も要求しました。


緊張関係

実際、この十数年間、特に、故チャベス大統領が就任した1999年からこれまで、アメリカとベネズエラの関係は緊張し、両国が連続的に互いに報復措置をとりあってきました。

オバマ大統領は昨年12月18日、ベネズエラ政府が野党関係者に対して重大な人権侵害を犯しているとして、特定のベネズエラ政府関係者に対して制裁を与える法令「ベネズエラ人権・社会保護法」に署名し、制裁対象はベネズエラ政府関係者23名とされ、アメリカへの入国が拒否されるほか、アメリカに保有する資産や口座が凍結されました。

これに対し、マドゥロ大統領が、「在ベネズエラアメリカ大使館 の不正な活動内容の証拠を握っており、アメリカ政府による内政干渉を受け入れない 」と強く批判した上で、 アメリカ政府との外交関係を見直すことを検討していると発表しました。


関係悪化

チャベス氏がなくなってから、ベネズエラ国内情勢の不安が続いています。昨年2月以降に広がった反政府デモで最初の死者が出てから1年がたった2月12日、首都カラカスなど各地で反政府派デモが発生し、一部で治安部隊と衝突し、負傷者が出ました。

報道によりますと、西部サンクリストバルではデモ隊が治安部隊に火炎瓶や石を投げ、治安部隊が催涙ガスで応戦し、8人が負傷、学生4人が拘束されました。こうした中、カラカス政権は、アメリカ政府がベネズエラ反政府勢力を支援していることに関すす証拠を入手したと明らかにしました。


地域経済へのマイナス影響

ベネズエラは産油国ですが、生活必需品などの不足や高インフレが深刻化しています。最近の原油価格の下落が追い打ちをかけており、国民の不満が高まっています。

こうした中、アメリカとの関係悪化は両国だけでなく、地域諸国、特に、地域内の原油取引にマイナス影響を与えると懸念されています。アナリストらは「現状から見れば、アメリカ・ベネズエラの関係正常化の道のりがまだ遠いといえる」との悲観的な見方を見せています。 

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