農業分野の気候変動対応


農業分野の気候変動対応 - ảnh 1
気候変動対応能力向上のため、近代的な農業インフラ整備

気候変動から大きな影響を受ける国々の一つであるベトナムは農業を始め、極端気象現象への対応を主体的に行っています。

ベトナムのGDP=国内総生産のおよそ18%に貢献している農業分野はベトナム経済にとって重要な経済部門です。農業分野に携わる人々の数はベトナム労働人口のおよそ半分を占めています。気候変動はそれぞれの地方に異なった影響を与えていますが、農業分野において、気候変動への対応策が様々な側面で実施されています。

多くの分野で気候変動へ対応

21世紀末の海面水位は、1980年-1999年期より100センチの上昇が予測されていますが、その場合、南部ハウザン省の面積の81%、キェンザン省の面積の77%が冠水します。また、北部タイビン省、ナムディン省、南部ソックチャン省、バックリエウ省、カーマウ省の面積の半分も冠水します。

地域別を見ると、南部メコンデルタ地域の面積のおよそ40%、北部ホン川デルタの面積のおよそ17%が冠水します。農業農村開発省のレ・コック・ズアン( Le Quoc Doanh) 次官によりますと、栽培業に対しては科学技術の応用、インフラ整備への投資を集中的に行う必要があります。

その他、生産効率と食品の品質の向上、安全衛生の確保に注意しなければならないとしています。一方、ベトナム農業農村開発協会のホー・スアン・フン( Ho Xuan Hung) 会長は次のように語りました。

(テープ)

「現在、最も重要なことは栽培作物の構造を見直すということです。私たちは気候変動に適応する必要があります。例えば、先頃発生した海水の浸食は自然によるものもあれば、人間によるものもあります。もし、我々は早期に予測を出し、栽培作物の構造を転換できれば、気候変動の被害が削減できるでしょう。農業分野の強みは畜産、水産物の養殖、野菜や果物などの栽培にあります。」

干ばつや海水浸食を長期的に対応するため、水利システムを再構築する必要があるとされています。南部キェンザン省農業農村開発局のグェン・バン・タム( Nguyen Van Tam) 局長は次のように語りました。

(テープ)

「長期的に見れば、水利施設の建設への投資にさらに関心を寄せる必要があります。それぞれの地域の生産活動に見合うため、どうすればいいかということです。第2は海岸浸食が迅速に推移している背景の中で、情報提供が観測、予測の需要に応えなければならないということです。」

地方レベルにおける対応策の強化

気候変動への対応がそれぞれの地方の条件に従って実施される必要があるとされています。中部カインホア省は農業、製塩、水産物の養殖のインフラ整備を優先的に行っています。一方、中部ビンディン省は気候変動対応シナリオを作成し、その中で、いくつかの部門や機関の発展計画を改正しています。

その他、同省は気候変動に対する認識向上、気候変動対応計画の実施を強化するため、財源を探っています。南部ベンチェ省の自然災害防止対策と捜索・救難指導委員会事務所のグェン・カイン・ホアン( Nguyen Khanh Hoang) 所長は「地元住民が森林保護、水資源の節約に対する自らの責任を意識するため、気候変動の影響について宣伝教育活動を強化している」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「生活と生産用の淡水を節約するのは非常に重要な意義を持っています。私たちはマスメディア、及び、婦人協会、青年協会など各社会団体を通じて、宣伝教育を行っています。その結果、地元住民は淡水の節約と自然災害の被害克服を主体的に行うようになっています」

気候変動への対応に向けて、ベトナムは国連と協力して、農業を国家適応行動計画に盛り込みました。ベトナムが気候変動対応に努力していることはその影響の削減に寄与することでしょう。

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