600年の歴史を持つナムディン省ハインティン村は省内で、科挙試験の合格者を多く排出した村として、また、伝統的建築様式の建築物が多く保存されているところとして有名です。

省都ナムディン市から車で1時間ほど行くとハインティン村に着きます。ホン川とニンコ川に挟まれたこの村は美しい自然風景と水路の利用も便利に工夫されています。村には共同の井戸、社、神社、集会所、市場など北部デルタにある村としての全ての施設があります。

現場の音

村へ入ると、２軒の寺院が見えます。一つはケオハインティンという寺です。この寺はタイビン省のケオ寺と同じ建築様式です。建設大学建築学科企画部門の責任者ファム・フン・クオン( Pham Hung Cuong) 博士によりますと、ハインティン村のインフラは当初から周到な設計により建設されました。この村の地図はきちんと作成されていて、先人たちの高い知識を表しています。クオン博士は次のように語りました。

（テープ）

「ご存知のように、一つの村の形成は一般に３０年から５０年ほどの歳月を経てきました。そのため、北部ホン川デルタにある各村は魚の骨の形のように、路地がたくさんありますが、ハインティン村の場合は違います。最初から、全体がはっきり設計されています」

建築家によりますと、昔から、ハインティン村にある全ての民家は東南向きになっています。村の周りには人工の運河が掘られ、運河の岸には道路があります。先ほどのクオン博士はさらに次のように語っています。

（テープ）

「村の周囲に運河が掘られたことから、村にある水が村を挟んで、２本の河川に容易に流れ出しています。これは水を流すよい方法です。現在もなお、まったく問題がありません。」

ハインティン村を囲む川沿いの道を歩くと、その穏やかな雰囲気を実感できます。この村の建築面における価値は本当に貴重な遺産です。ハノイ工科大学３年生のレ・ティ・ルエン( Le Thi Luyen) さんは次のように語っています。

（テープ）

「ハインティン村にくるのは今回が初めてです。この村はベトナムの古いたたずまいが濃く残っています。この村を訪れると心地よくなります」

現在、ハインティン村は昔のままの設計で保たれています。まっすぐの道路や川の両岸に緑あふれる柳の並木などを見れば、この村を設計した人々の優秀さを実感することでしょう。