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16日、アメリカ下院人権小委員会は、いわゆる2013年版の「ベトナム人権法案1897」を採択し、その中でベトナムにおける人権擁護と人道目的以外の援助の中止を提案しました。この法案が成立するためには、アメリカ上下両院での議決と、アメリカ大統領の署名を済ませなければならないとしていますが、人権小委員会の採択はベトナムとアメリカとの関係発展に逆行したものとみられます。
同法案を提出したChris Smith下院議員は採択を受けた後、「同法案はベトナムに対し信仰の自由と言論の自由を尊重し、政治犯を釈放するとともに人権に関する国際基準を遵守するよう求めた」と語りました。これはベトナムの人権状況を正しく反映しないものであり、ベトナムの人権問題に対する誤った見解であります。
実際、ベトナムでは信仰の自由が法律と憲法によって保障されており、いわゆる政治犯というものは存在しません。ベトナム国民は政治、経済、文化、社会などあらゆる分野に関する意見を自由に表明できるとともに、少数民族の人々は国家の保護を受け、多数民族と同様に尊重されています。また、ベトナムは人権に関する国際基準や公約を常に遵守してきたことで国際社会の高い評価を受け、2014年から2016年期の国連人権理事会入りに取り組んでいます。
これをみれば、アメリカ下院人権小委員会のいわゆる「ベトナム人権法案1897」はベトナムの人権状況を歪曲した情報を盛り込んだものに過ぎないといえます。また、下院議員らがベトナムに対し信仰の自由、報道の自由、人権を尊重するよう求めたことは、ベトナムに対して好意的ではない行動であります。国連憲章には「法律、憲法をどのように制定し、どのように施行するかは、それぞれの国と民族の権利であり、いかなる政治勢力、国も圧力をかける権利がない」と明記されています。アメリカ下院人権小委員会は法案1987を採択したことで、この民族自決権を侵害していることになるのです。
人道分野に関し、法案1897は「ベトナムは人権問題で目覚しい進歩を見せない限り、人道目的以外の対ベトナム援助を中止するよう」求めました。現在、ベトナムとアメリカは戦争による後遺症の克服に取り組んでおり、戦争中、行方不明となったアメリカ兵の捜索や地雷・不発弾の除去、ダイオキシン、枯葉剤の処理、枯葉剤被害者の援助などで順調に協力し合ってきました。また、この数日、アメリカ国防総省のPOW/MIA捕虜、行方不明者担当副次官補Winfield氏はベトナムを訪問して、戦争中に行方不明となった両国の軍人の遺骨捜索の推進にあたっています。
1995年、両国の関係が正常化されて以来、経済、貿易、投資などの分野で絶え間ない発展をしています。また、人道分野での協力は双方の関係に重要な一端を担っているとみられます。アメリカがベトナムに対し援助を行うのは戦争を起こした国が回復に励む必要がある、という道理にかなった行動です。アメリカ政府はベトナムと力を合わせ、人道活動と戦争による後遺症の克服にあたるのは道義的にも正しい行いであります。
これまでChris Smith下院議員をはじめ幾人かの議員は、ベトナム人権問題を利用して、ベトナムに対し偏見を持つアメリカ有権者の支持を得ようとしています。スミス下院議員は、いわゆるベトナム人権法案を提出し下院の採択は得られても、上院の採択はこれまで一度もありません。法案1897も両国の順調な関係発展に逆行するものであることから、これまでと同様に否決されることとなるでしょう。