米国防権限法案、下院で可決 上院も来週通過の見通し
(VOVWORLD) -米下院は10日、2026会計年度(25年10月─26年9月)の国防予算の大枠を決める国防権限法(NDAA)案を賛成多数で可決しました。
(写真:ロイター) |
予算総額は9010億ドルと過去最大規模で、トランプ大統領の要求を約80億ドル上回ります。
採決結果は賛成312、反対112。法案は上院に送られ、来週には上院でも可決される見込み。トランプ大統領も、法案に署名する意向を示しています。
ウクライナ支援に4億ドルを充てるほか、欧州防衛への米国のコミットメントを強化する他の措置も盛り込んでおり、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対する大半の議員の強い支持を反映しています。兵士給与の4%引き上げなども含まれます。今回の法案は上院と下院が今年それぞれ承認した国防権限法案の妥協案です。
トランプ氏は5月、26年度の国防予算として前年度と同水準の8926億ドルを要求しました。下院の法案は国防予算をこの水準に設定しましたが、上院案は9250億ドルとしていました。
軍事装備の購入や中国やロシアなどに対する競争力強化に関するNDAAの典型的な条項に加え、今年の法案はDEI(多様性、公平性、包摂性)の取り組みなどトランプ氏が批判するプログラムの削減や、不法移民や麻薬の流入阻止に向けた国境への部隊派遣に重点を置いています。
NDAAは国防総省のプログラムを承認するものの、資金は提供しません。議会は26年度の歳出法案で、別途予算を可決する必要があります。(ロイター)