米、ナイジェリアでイスラム過激派を空爆 「キリスト教徒迫害」を理由に
(VOVWORLD) - ナイジェリア外務省は、この空爆について、過激派グループを標的とした情報共有や戦略的な協調を含む、アメリカとの安全保障協力の一環として実施されたものだと説明しました。
2025年11月2日、ナイジェリア・ラゴスのオジュエレグバにある売店に並ぶ、アメリカのドナルド・トランプ大統領がキリスト教徒の扱いを巡りナイジェリアに送ったメッセージを報じる新聞(写真:REUTERS/Sodiq Adelakun) |
アメリカのトランプ大統領とアメリカ軍は25日、ナイジェリア北西部でイスラム過激派組織に対する空爆を実施したと発表しました。キリスト教徒が迫害されていることを理由とし、ナイジェリア当局と連携して行ったと説明しています。
トランプ大統領は自身の交流サイト、トゥルース・ソーシャルに、「今夜、最高司令官である私の指示により、ナイジェリア北西部のISISテロリストに対して強力かつ致命的な攻撃を開始した。彼らは罪のないキリスト教徒を標的にし、殺害している」と投稿しました。
アメリカ軍アフリカ司令部は、ナイジェリア当局と連携し、ソコト州で空爆を実施し、ISISの戦闘員を複数殺害したと発表しました。一方で、攻撃がナイジェリア当局の要請によるものだったとするXへの投稿は、その後削除されています。
ナイジェリア外務省は、この空爆について、過激派グループを標的とした情報共有や戦略的な協調を含む、アメリカとの安全保障協力の一環として実施されたものだと説明しました。Xでは、「ナイジェリア北西部での空爆により、テロリストの標的を正確に攻撃することにつながった」としています。
アメリカ国防総省が公開した映像には、軍艦から発射された少なくとも1発の飛翔体が映っていました。アメリカ国防当局者は、空爆はISISの既知の拠点にいた複数の戦闘員を標的にしたと述べています。ヘグセス国防長官はXで、ナイジェリア政府の支援と協力に感謝の意を示したうえで、「まだ続く」と投稿しました。
トランプ大統領は10月下旬ごろから、ナイジェリアでキリスト教が「存亡の危機」に直面していると警告し、キリスト教コミュニティーを標的とした暴力を止められていないとして、軍事介入を示唆してきました。
これに対し、ナイジェリア政府は、武装集団はイスラム教徒とキリスト教徒の双方を標的にしていると説明しています。また、アメリカの主張はナイジェリアの複雑な治安状況を十分に反映しておらず、信教の自由を守る努力を無視していると指摘していました。ただし、過激派グループに対抗するため軍の能力を強化する目的で、アメリカと協力することには合意しています。(ロイター)