(VOVWORLD) -「大きなことを成し遂げたい時は、それだけの思いを持つべきである」。ベトナムのファム・サイン・チャウ外務大臣補佐官の言葉です。
チャウ氏 |
外交官で、英語とフランス語に堪能なチャウ補佐官は、ベトナムのユネスコ問題担当首相特使も務めます。これまでも、ベトナムのユネスコ大使やユネスコ国内委員会委員長という仕事をしてきたチャウ補佐官。自国の文化を世界に紹介することを自分の使命と考え、様々な実績を上げてきました。ベトナムの多くのものを世界遺産登録に導いた立役者として知られています。
チャウ補佐官の話です。
(テープ)
「文化遺産の仕事を始めるきっかけとなったのは、1999年に、当時のグエン・マイン・カム副首相兼外相からベトナムのユネスコ大使に任命されたことです。それ以来、その分野に携わってきました。カム元副首相に感謝しています。」
外交官として働く中で、チャウ補佐官は、文化を通してそれぞれの国の本質が理解でき、文化こそが各国を結び付けるものであるということがわかったと言います。そのため、ベトナムの貴重な遺産が世界に注目されるように取り組んできたということです。自分の国をより多くの人に理解してもらいたいという思いからです。
チャウ補佐官の話です。
(テープ)
「海外を訪れると、いつも友人から言われた言葉を思い出します。それは『世界中には何でもあって何でもできるが、自然遺産だけは人間には作れない』というものです。自然はそこに自然にあるもので、人間が作るものではないですね。ベトナムが多くの文化や自然遺産に恵まれていることは幸いです。それを活かして外国人観光客を誘致し、その土地や国の経済の発展も考えます。その時のPR方法をどう進めていくかが重要です。同時に、遺産保護の責任も果たして行かなければなりません。」
この数年、チャウ補佐官は国内の多くの専門家と共に、ベトナム各地へ足を運びました。ベトナム文化を研究した上で、国際的な人脈を使い、積極的にそれを紹介してきました。
ベトナムにあるカンゾーやカットバ、クーラオチャム、プーマット、カマウ、キエンザンという6つの生物圏保護区、これはユネスコに登録された国際的な指定保護区ですが、これもチャウ補佐官が尽力したものでした。ニャチャンやランコーが世界的にも美しい湾と認められたのもそうです。その他、ベトナム中部のフォンニャ・ケバン国立公園の世界遺産登録にも影響力がありました。チャンスがあれば、ベトナムにある多くの遺産を世界的に認められるようにしたい、と常に考えているということです。
チャウ補佐官の話です。
(テープ)
「フーコック島の名産品であるニョクマムが気になっています。時間があれば、これを無形文化遺産に推薦したいと思っています。」
これまでベトナム外務省でその能力をいかんなく発揮してきたチャウ補佐官ですが、昨年、ユネスコの事務局長に立候補しました。ベトナムの外交官が国連の重要機関のトップに立候補したのは初めてです。11月の選挙結果が待たれます。