アメリカのクリントン国務長官は11日間のアジア太平洋歴訪を行っています。今回、中国、ロシア、インドネシアのほか、島嶼国クック諸島や東ティモールをも訪れます。
8月31日、クリントン長官はクック諸島で開かれた「PIF太平洋諸島フォーラム」の加盟国と域外援助国との会合に参加し、アメリカは太平洋地域を支配しようとする国家の対抗勢力として、地域に奉仕するとの見解を示しました。中国へのメッセージで、長官は地域へのアメリカの長期的な関与を約束しました。
クック諸島を発った後、クリントン長官はインドネシアに向かいました。3日夜、行われた同国のマルティ外相との会談では、フィリピンやベトナムと中国との間で対立が深まるベトナム東部海域いわゆる南シナ海の島々の領有権問題などについて意見を交わしました。

この問題では、ことし7月のASEAN外相会議で、中国と経済的な結びつきを強めている議長国のカンボジアとフィリピンやベトナムとの間で意見がまとまらず、共同声明が採択されない異例の事態となりました。
会談後の共同記者会見でクリントン国務長官は、「南シナ海の平和と安定の維持はアメリカの国益でもある。威嚇や武力を用いず解決していくため、関係国は協力していくべきだ」と述べて、この問題を平和的に解決するため中国との間で法的拘束力を持つルールとなる行動規範を早期に策定できるようASEAN側の結束を呼びかけました。
4日からは中国を訪れ、胡錦濤国家主席、習近平国家副主席らと会談する予定です。沖縄県・尖閣諸島や南シナ海などの領有権をめぐり中国と日本や東南アジア諸国との緊張が高まる中、クリントン長官が今後どこまで中国に事態の沈静化を促せるかが、アメリカの掲げる「アジア重視戦略」の試金石となりそうです。
国務省高官によりますと、クリントン長官は中国側に「強固で建設的な両国関係」の重要性を強調しました。人民元問題や朝鮮民主主義人民共和国、シリア情勢も話し合われますが、議題の中心は尖閣や南シナ海などの領有権問題になるもようです。中国訪問後、東ティモール、ブルネイを歴訪し、8日と9日に、ロシアのウラジオストックで開催されるAPECアジア太平洋経済協力会議首脳会議に出席する予定です。