フン王廟祭り、『水を飲むときは井戸を掘った人を思う』良き伝統の継承

数千年来、ベトナム国民は毎年の旧暦3月10日にベトナム建国の祖フン王を偲ぶ様々な行事を行っています。フン王を偲ぶ活動はベトナム民族の文化的生活において、欠かせない一部となっており、民族大団結の強化、自国に関する国民の理解の深化、若い世代の教育などに寄与するものとみられています。

フン王を偲ぶ信仰は昨年、民族色豊かなベトナム文化の価値ということで、ユネスコに世界無形文化遺産として認定されました。


フン王廟祭り、『水を飲むときは井戸を掘った人を思う』良き伝統の継承 - ảnh 1
4月19日に開催されたフン王を偲ぶ儀式(写真:giaoduc.net)

フート省はフン王の故郷です。数千年前、その地で、竜と仙女が結ばれて、ベトナム民族を生みました。また、この地で、紀元前2979年にフン王はベトナム初の国家であるバンラン(Van Lang)王国を建国しました。フン王朝時代は紀元前258年まで存在していました。

史書によりますと、フン王を偲ぶ信仰は2000年以上前から行われてきました。紀元前257年から208年までのトゥクフアン・アンズオンブオン(Thuc Phan An Duong Vuong)王時代に大きな石柱がフート省のギアリン山頂で作られ、その上で、「南国がフン王廟とともに永久的に存在する。

フン王廟とフン王が渡した国家を永遠に保つことを天地に誓う」という文字が書いてありました。アンズオンブオン王時代後の各王朝もその伝統を保ってきました。このため、フン王を偲ぶ信仰はベトナム民族独特の価値を作り出しています。

これに関し、ベトナム信仰文化研究保存センターのゴー・ドゥク・ティン(Ngo Duc Thinh)センター長は次のように明らかにしています。

(テープ)

「祖先を偲ぶ活動は家族の元祖に関する伝統です。ベトナムでは、この伝統は結晶し、フン王を偲ぶ信仰を生み出しました。ベトナムの各王朝の間には、相違点が沢山ありましたが、フン王を偲ぶ信仰はそれらの相違点を乗り越えてきました。それぞれの王朝はそれぞれの風俗習慣、規範、規定がありましたが、フン王を偲ぶ信仰だけは同じでした。また、フン王を偲ぶ信仰はどんな時代をも乗り越えたといえます。というのは、これは、全ての政治体制を乗り越え、全民族の共通の目標となっているからです」

フン王を偲ぶ活動を開国時代当初から行ってきたことはベトナム人が民族の源に関する意識を大昔から持っていたことを示すものだといえます。その意識は代々培われ、ベトナム文化の美しさの1つとなっています。

これに関し、先ほどのティンセンター長は次のように明らかにしています。

(テープ)

「文化面から見れば、フン王の命日は単なる命日ではなく、様々な文化的価値を寄せていました。これを通じて、民族文化が保存され、次の世代に伝われます。また、ユネスコの評価によりますと、フン王を偲ぶ信仰は、『水を飲むときは井戸を掘った人の恩を思う』というベトナム民族の古き良き伝統を示すものでもあります」

こうした伝統を継承し、ベトナム政府は毎年、フン王を偲ぶ儀式を国家的祭礼として行います。今年はその行事がフン王を偲ぶ信仰を世界遺産に認定する承認書の受領式とともに開催されています。


フン王廟祭り、『水を飲むときは井戸を掘った人を思う』良き伝統の継承 - ảnh 2
フン王廟で線香を手向けた党と政府の指導者ら
(写真:giaoduc.net)

ユネスコのキャサリン・ミュラーベトナム事務所長は次のように語りました。

(テープ)

「この儀式はベトナム民族に対する統一と団結の重要性を再確認するものとなります。また、文化の多様性、統一性の価値も再確認されます。この信念がベトナム国民を団結させ、発展事業に力をあわせるよう期待します」

ベトナムの現在の指導部もフン王廟祭りの深い意味を強調しています。チュオン・タン・サン国家主席は次のように語りました。

(テープ)

「フン王を偲ぶことは『国民が豊かで強固な国』などを祈る心霊的活動だけでなく、ベトナム民族の団結、統一を示す意味深い活動です。ベトナム人は同じ源があります。このため、歴史の様々な浮き沈みを経過しても、フン王を偲ぶ信仰は保たれており、代々に伝わっています。これはベトナムがいかなる困難と試練も乗り越えるための力を作り出すものです」

ベトナム全国民と国外在留ベトナム人はフン王廟に心を向けています。今後も、この美しい伝統が次の各世代に引き続き保たれることでしょう。

ご感想

他の情報