(VOVWORLD) - 2018年はベトナムと日本の外交関係樹立45周年を記念する年です。これを記念して、VOVベトナムの声放送局の東京特派員ブイ・マイン・フンが日本駐在ベトナム大使館のグエン・クォック・クオン大使にインタビューを致しました。
グエン・クォック・クオン大使 |
記者: この間、ベトナムと日本の関係は大きく発展している思いますが、両国関係についてお考えをお聞かせください。
大使: おっしゃっるとおり、ベトナムと日本の関係は絶え間なく良好に発展しています。特に、2017年は両国関係にとって歴史的な年であったと言えます。
2017年はかつてないほど、多くの高級代表団が訪問しあったからです。中でも、2月下旬から3月上旬は、天皇皇后両陛下が初めてベトナムをご訪問されました。そして、2度にわたる安倍首相のベトナム訪問です。安倍首相は1月にベトナムを公式訪問し、11月にAPEC首脳会議に出席するため、ベトナムへ来られました。また、2017年は、大島衆議院議長がベトナムを訪問しました。日本の衆議院議長がベトナムを訪問するのは15年ぶりのことです。
一方、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は6月に、日本を公式訪問しました。その他、各レベルの代表団の訪問が頻繁に行われました。
両国関係は引き続き深化し、効果的に促進されています。例えば、経済面についてですが、フック首相による6月の日本訪問を機に、多くの契約や覚書が締結されたほか、多くの投資許可書が手渡されました。これらの契約や投資許可書の総額は220億ドルにのぼっています。2017年の初頭からの11ヶ月、日本企業によるベトナムへの投資額はおよそ90億ドルにのぼっています。これにより、日本が、ベトナムに投資している国と地域の中で、第1位になったのは久しぶりです。そして、両国の貿易総額は11月現在、300億ドルを突破しました。
両国の国民交流も活発になっています。日本に滞在しているベトナム人は増えつつあります。日本側の統計によりますと、2017年6月末現在、日本に滞在しているベトナム人は23万人以上で、2年前と比べ、2.5倍近くになっているそうです。
そのうちの10万人以上は実習生です。これにより、ベトナムは中国を追い越して、日本で実習生が一番多い国となっています。そして、ベトナム人留学生も急増し、現在、7万人を超えていまっす。
さらに、ベトナムを訪れる日本人観光客も増えつつあり、2017年はおよそ90万人でした。一方、日本を訪れるベトナム人観光客も急増し、2017年は約30万人にのぼっていると推測されています。これらの数は両国の国民交流が盛んになっていることを示しています。
2017年は、両国の地方間の交流が強化された年でもあります。ベトナムの約30の地方の代表団が日本を訪れ、日本の地方との協力チャンスを探りました。その一方で、日本の各県の知事7人がベトナムを訪れました。そして、知事に同行したのは、ベトナムでの投資チャンスを探る各県の大手企業の代表でした。
そして、国防・安全保障協力と、国際場裏場での連携も強化されました。2017年は、両国関係の発展過程にとって特別な年であると言っても過言ではないでしょう。
記者: 2018年は両国の外交関係樹立45周年ですが、その記念活動についてご紹介いただければ、と思います。
大使: 両国の指導者らと関係各省庁は、2018年の記念活動についてよく話し合っています。双方は、45周年を記念するため、多くの活動を行うことで一致しました。日本関連の多くのイベントがベトナムの各地で行われるのに対し、ベトナム関連の多くのイベントが東京を始め、神奈川や愛知で行われる予定です。これは、両国の国民交流の場になると思います。
そして、両国の指導者らは、互いに訪問しあって、両国関係の深化を目指す具体的な措置について話し合います。2018年、高級代表団による相互訪問は活発に行われるはずです。
記者: 両国関係を発展させる方向として、どの分野に集中すればよいのかについてご意見をお聞かせください。
大使: ベトナムと日本は両国関係を「アジアにおける平和と繁栄のための広範な戦略的パートナーシップ」という協力の次元へと発展させることで一致しました。両国は、そのパートナーシップの深化とその効果向上を目指す方針です。
現在、両国関係は全ての分野において発展していますが、政治、国防・安全保障、経済などの分野における協力をさらに拡大させる余地は大きいです。日本はこれまで、ベトナムにとって最大のODA供与国と経済相手国でしたが、今後も変わりはないでしょう。また、両国の協力がさらに拡大できる分野は人材育成と地方間の協力です。
そして、現在、ベトナムは、ハイテクアグリカルチャー、裾野産業、製造業を発展させる方針です。日本はこれらの分野で強みを持っているので、ベトナムの重要な相手国になるでしょう。
記者: ありがとうございました。