ベトナム戦争証跡資料:英雄烈士の恩を偲び、戦争後遺症を克服
(VOVWORLD) -この資料は、かつての抗米救国闘争に参戦した烈士、または、今も生きている復員軍人の日記帳や、手紙、遺物、個人使用の品物などが含まれています。
「ベトナム兵士の心」という団体はアメリカのテキサス工科大学のベトナム・センター・アンド・アーカイブス(古文書館)と連携して、「ベトナム戦争証跡資料」と名づけられた非営利プロジェクトを実現しました。この資料は、かつての抗米救国闘争に参戦した烈士、または、今も生きている復員軍人の日記帳や、手紙、遺物、個人使用の品物などが含まれています。双方は、連携してこれらの資料を収集し、烈士の遺族と復員軍人に返還したほか、戦争中に行方不明となった烈士の遺骨を模索しています。
アメリカのテキサス工科大学のベトナム・センター・アンド・アーカイブスは35年前の1980年に設立され、ベトナムにおける抗米救国闘争に関する資料と品物を収集、保管する任務を担っています。
テキサス工科大学のトーシャ・デュプラス博士は次のように明らかにしました。
(テープ)
「過去35年間、テキサス工科大学のベトナム・センター・アンド・アーカイブスと平和と衝突研究所は、ベトナムにおける抗米救国闘争に関する資料や品物を収集し、保存してきました。このことは、英雄烈士の功労を讃えることが狙いです。同時に、戦争後遺症の克服、およびアメリカとベトナム間の民族和解を推進することになっています。これまでに、私たちは、50年前のベトナム戦場に残されていた個人的な日記帳、手帳、手紙、資料などを収集し、当該本人を特定したほか、復員軍人、または烈士の遺族を探し、彼らにそれらの資料を手渡しました」
「ベトナム兵士の心」という団体は、ベトナム・センター・アンド・アーカイブスから送った資料を編集し、ソーシャルネットワークと電子雑誌「文化と発展」に掲載し、紹介しました。2023年6月に、ハノイで、ベトナム・センター・アンド・アーカイブスは平和と衝突研究所と連携して、「ベトナム兵士の心」団体に、5冊の日記帳、30通の手紙を含む「ベトナム戦争証跡資料」の一部を始めて引き渡しました。翌年後の2024年6月に、ハノイで、30件の資料、および多くの記念品、遺物を含む第2回「ベトナム戦争証跡資料」の受領式典が行われました。
「ベトナム兵士の心」団体の創設者であるダン・ブオン・フンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「実行委員会、特にアメリカ側の担当者は、何年間にもわたって、30件のベトナム戦争証跡書類を入手しました。そのうち10件の書類で、当該本人を認定しました。その内の3人の復員軍人は今も生きています。このことにとても驚きながら感動しました。まだ多くの書類があると予測されますので、今後も、アメリカ側と連携して、残りの書類を探索、紹介する予定です」
ベトナム・センター・アンド・アーカイブスのスティーブ・マックスナー博士は次のように明らかにしました。
(テープ)
「私たちが引き渡した資料や遺物などは、烈士の遺骨収集帰還に役立つと思います。私たちが入手している資料は、戦没者の埋葬地などに関する情報があります。ですから、戦没者の遺族にこれらの必要な情報を共有することが出来ます」
他方、アメリカの復員軍人であるロン・ミラムさんは次のように語りました。
(テープ)
「戦争当時に、我々は前線の両側にいましたが、今日、一緒に座って、戦時の話について話し合ったり、当時の記憶を共有したりすることが出来ました」
この機に、戦争中に犠牲になった兵士の肖像画が復元され、彼らの遺族に手渡されました。戦争に亡くなった兄の写真を受けた一人は次のように語りました。
(テープ)
「兄が1972年にアメリカ軍が行った空爆で犠牲になりました。戦場で犠牲になった親戚の遺影が復元されたことは、有意義なことです。兄の遺影を受けとったことで、兄が家族のもとへ戻ってきたような感じがして、とても感激しています」
ベトナム戦争証跡資料は、ベトナム民族の輝かしい抗米救国闘争に関する豊富で真実なものであり、英雄烈士の恩を偲ぶとともに、戦争後遺症を克服し、過去を封じ、未来へ向かうことに貢献しています。