(日経)サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相は7日、米ヒューストンで講演し、OPEC=石油輸出国機構による減産効果などで「原油市場の(需給の)基礎的状況は改善している」との認識を示しました。一方で増産を続ける米シェール企業に対し「(減産効果への)ただ乗りはダメだ」と指摘し、一段の増産をけん制した。
サウジは自らが主導して2016年11月にOPEC加盟国内で約120万バレルの減産、またロシアやメキシコなど非OPEC諸国とも約60万バレルの減産で合意しました。ファリハ氏は減産効果について「最初の2カ月の原油在庫の減少スピードは予想より遅い」と不満をのぞかせたものの「全体としては(減産は)うまく機能している」と評価しました。原油需要は17年に日量150万バレル増加すると予想するなど、需給環境は急速に改善しているとの認識を示し「需要に見合う開発を進めるために必要な投資がされていない懸念がある」と話しました。
そのうえで「石油会社が(シェール企業のような)短期的な投資から長期の需要を見据えた投資へと切り替えることを期待する」と述べ、原油価格の動向にかかわらず原油を安定供給できる体制構築のための投資の必要性を強調しました。