ダボス会議が閉幕 トランプ新政権の政策への懸念強く
(写真:AFP/TTXVN)
(NHK)世界各国の政治や経済界のリーダーが参加してスイスで開かれていたダボス会議は、アメリカのトランプ大統領の就任を前に、新政権の政策が世界経済や国際情勢に与える影響などについて活発な議論が交わされ、20日、閉幕しました。
ことしのダボス会議では、アメリカのトランプ大統領の就任を前に新政権の政策が世界経済や国際情勢にどのような影響を与えるのかに関心が集まりました。
出席者からは、トランプ氏が掲げる減税やインフラ投資などの政策に期待する声が聞かれた一方、保護主義的な政策への懸念も示され、17日には、初めて出席した中国の習近平国家主席が「保護主義に反対する」と述べ、トランプ氏をけん制しました。
また、20日に開かれた世界経済の見通しを議論するセッションでも、アメリカの新政権の保護主義的な政策が、各国の法人税率の引き下げ競争や貿易紛争などを引き起こすことが先行きのリスクとして挙げられました。セッションに出席した日銀の黒田総裁は記者団に対し、「保護主義が広がることは非常に大きなマイナスだ。よく見ていく必要がある」と述べ、新政権の政策を注視する考えを示しました。
会議ではこのほか、イギリスのメイ首相が演説し、EU=ヨーロッパ連合からの離脱に向けた方針を説明したほか、脅威が高まるテロへの対策や、人工知能が雇用に与える影響など、幅広いテーマについて活発な議論が交わされ、20日、閉幕しました。