（ＣＮＮ） 米大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利したことに抗議するデモが全米各地へ拡大していることを受け、トルコ政府が米国への渡航者や滞在者に注意を呼び掛ける警告を出しました。

トルコ外務省が１２日に声明を出しました。トランプ氏を名指ししてはいないが、アメリカでは８日の大統領選以降、抗議行動が続発し、その一部が暴力的、犯罪的な行動に発展していると指摘しました。人種差別や外国人排斥の動きも拡大しているとの見方を示しました。

アメリカに滞在したり渡航を考えたりしているトルコ国民を対象に「現地の報道に注意を払い、在ワシントン大使館の警告に従い、デモには近付かないように」「職場の安全対策を強化し、少数派人種や外国人を狙った攻撃があった場合は現地の治安当局に通報するように」と呼び掛けています。

アメリカでは大統領選の結果が出てから毎晩、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなど各地の都市でデモが起きています。大半のデモは平和的に実施されているが、逮捕や暴力につながるケースもみられます。

トランプ氏はツイッター上で、デモはメディアが扇動した「プロ」の仕業だと主張しましたが、しばらくして米国に情熱を抱く「小規模の集団」と言い直し、「今後は全員が誇りを持って団結する」と宣言しました。

アメリカ国務省は先月、トルコでテロ組織による脅威が強まっているとして、同国へ渡航する米国民に注意を促す勧告を出していたということです。