リトアニアで貨物機墜落、1人死亡 ドイツが外国の関与を示唆
(VOVWORLD) - リトアニアの首都ビリニュスの空港付近で25日、ドイツ物流大手DHLの貨物機が墜落し、スペイン人の乗員1人が死亡しました。ドイツ当局は外国が関与した可能性を示唆しています。
警察およびDHLによりますと、墜落した貨物機は独ライプチヒからビリニュスへ向かっており、着陸直前に空港から約1キロの地点で墜落しました。機体は数百メートルを滑走し、複数の建物に衝突しました。
墜落現場の映像には、緊急当局によって封鎖された住宅地に機体の残骸や燃える貨物が散乱している様子が映し出されています。
リトアニアのラウリナス・カスチュナス国防相は記者会見で、「破壊工作やテロ行為を示唆する兆候や証拠はこれまでのところない」と述べ、原因特定には「約1週間かかる」と付け加えました。
また、ダリウス・ヤウニシュキス国家保安局長も、バルト三国の一つであるリトアニアが「一段と攻撃性を強めるロシア」に対峙していると述べつつ、「テロの可能性を完全に排除することはできない」と発言しました。「現時点では何も断定したり非難したりすることはできない」と強調しました。
イングリダ・シモニテ首相もSNSを通じ、「結論を急がないように」と呼び掛けています。
一方、ドイツのアナレーナ・ベーアボック外相は、「これが単なる事故だったのか、それとも新たなハイブリッド攻撃だったのか、慎重に検討する必要がある」と指摘しました。「ハイブリッド攻撃」とは、インフラ破壊やサイバー攻撃など、従来の軍事行動を伴わない攻撃を指す用語として用いられることが多く、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、欧州各国で頻繁に使われています。
リトアニアでは今月、西側諸国へ向かう航空機で発火装置が発送された事件に関連して、容疑者が逮捕されています。また、ポーランドおよびリトアニアのメディアによりますと、発火性物質が仕込まれた電動マッサージ器が7月にリトアニアからイギリスへ送られたことが、ポーランドで発生したトラック火災の原因とされています。
さらに、イギリスの警察反テロ部局は先月、今年初めに発生した小包の炎上事件について捜査を進めていると発表しました。一方で、ドイツはこれらの事件に関しロシアを非難しています。
リトアニアのケストゥティス・バドリス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、こうした一連の事件についてロシアを非難しました。今月、リトアニアのニュース専門ラジオ局に対し、「こうした作戦の出所がどこかは分かっている。それはロシア軍の情報機関だ」「何も対策を取らなければ、新たな行動にエスカレートするだけだ」と述べました。(AFP通信)