
中国南部の地方政府が、南シナ海で操業する外国の漁船などに中国政府の許可を得ることを条例で新たに義務づけたことについて、フィリピンの外務省は声明を発表し、重大な国際法違反に当たるなどとして深刻な懸念を示しました。
南シナ海に面する中国南部の海南省は、管轄する海域で漁業や調査活動を行う外国人や外国の漁船に、中国政府の許可を得ることを条例で新たに義務づけ、今月1日から施行しています。この海域には中国とフィリピンなどが領有権を争っている南沙諸島も含まれており、フィリピンの外務省は10日、条例を受けて声明を発表しました。
この中でフィリピン外務省は、「条例は、国連海洋法条約で保障された公海上における漁業や航行の自由などの権利を侵している」などとして、重大な国際法違反だと指摘しました。そのうえで「南シナ海における緊張を高め、地域の平和と安定を脅かしている」として、深刻な懸念を示しました。
この前に、これに関して、アメリカ国務省のサキ報道官は、9日の記者会見で「国際法に基づいているのかなど、中国政府から何も説明がない」としたうえで、「南シナ海の領有権争いのある海域で他国の漁船に対し、このような規制をかける行為は挑発的で、潜在的な危険をはらんでいる」と批判しました。