日越首脳会談

会談で、両首相は、2021年11月のファム・ミン・チン首相の日本訪問で達成された合意が良好に展開されていることを歓迎しました。また、新型コロナ収束後の経済回復や投資・貿易・農業・エネルギー、環境などの分野における協力を拡大するとともに、ODA政府開発援助を効果的に展開してベトナムのインフラ整備、デジタルトランスフォーメーション（DX）、気候変動対応、医療能力を高めることで一致しました。その中で、日本は今年の9月にベトナム産の竜眼の輸入を許可するとともに、ベトナムのザボン・アボカド・ランブータンの輸入に便宜を図るとしています。そして、日本は、世界のサプライチェーンへのベトナムの参加や2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするというベトナムの目標の達成、デジタル政府・デジタル経済・デジタル社会などを実現させるために、引き続きベトナムを支援していくことを公約しました。さらに、国防・安全保障、PKO国連平和維持活動、戦争後遺症克服事業での協力も促進させるとしています。

両首相は、国民交流・文化交流を進めることの重要性を強調し、来年の日越外交関係樹立50周年に向けて実行委員会を立ち上げ、来年が両国の新たな時代を切り開く節目となるよう緊密に連携していくことで一致しました。

そして、両首相は、共に関心を寄せている地域と世界の問題について意見交換をし、ASEANや国連などの国際場裏で連携を強化して、気候変動や新型コロナ予防対策などのグローバルな課題に対応すること、CPTPP＝先進的かつ包括的な環太平洋経済連携協定とRCEP＝地域的な包括的経済連携協定の履行に向けて協力していくことで一致しました。両首相はウクライナ情勢についても意見交換をしました。 

ベトナム東部海域（南シナ海）問題について、両首相は、同海域の平和・安全保障・航行の自由を確保すること、武力による威嚇または武力行使をせず、1982年国連海洋法条約をはじめとする国際法に従って紛争を平和的に解決すること、DOC=海上行動宣言を効果的かつ完全に履行すること、国際法に見合う効果的かつ実質的なCOC＝海上行動規範を早期に完成することの重要性を強調しました。

会談後、チン首相と岸田首相は、両国の機関・地方・企業による協力文書22件の交換式典に立ち会いました。また、両首相は共同記者会見を行い、会談の結果を通知しました。