貿易是正「為替重要に」 米大統領経済報告、赤字に強い不満

(VOVWORLD) -【日本経済新聞】アメリカのトランプ大統領は21日、2018年の経済報告をアメリカ議会に提出しました。膨らむ貿易赤字に強い不満を示し「為替レートでの調整が一つの重要な機能になる」と指摘しています。不均衡是正へドル安を容認する姿勢もにじませました。中国や韓国とともに、日本を「自動車市場が閉鎖的だ」と批判し、各国に一段の市場開放を求める考えを強調しました。

大統領経済報告は一般教書、予算教書と並ぶ「三大教書」の一つとなっています。トランプ政権として初めての経済報告は「税制」「規制緩和」「通商」など8章で構成しました。

通商面では「市場原理を乱す中国のような国のために、国際貿易の緊張が強まっている」と訴え、相手国を名指ししながら不均衡是正を目指すとしました。貿易収支など経常収支の赤字が続けば「ドル安を招くことになる」と指摘しています。通貨安で輸出増と輸入減につなげる「為替レートでの調整」を容認する姿勢もみせました。

対日政策では自動車市場の一段の開放を求めました。日本は輸入車の関税を既にゼロにしていますが「安全基準など様々な非関税障壁によって、日本での米国車の販売は低迷が続いている」と批判しました。自動車分野では中国の外資規制や韓国の参入規制の是正も強く求めたということです。

経済報告では当面の景気見通しにも言及し、18年の実質経済成長率が3.1%に高まると分析しました。17年末に成立した巨額減税によって、今後3年間で国内総生産(GDP)を1.3~1.6%押し上げると予測しました。足元の金融市場については「上昇していた株価が2月初旬に反転した」などと現状をなぞる程度にとどめました。

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