ADB、アジア新興国の成長予想引き下げ オミクロン株踏まえ

(VOVWORLD) -アジア開発銀行(ADB)は14日、アジア新興国の今年と来年の成長率予想を下方修正しました。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に伴う不透明感を踏まえました。
ADB、アジア新興国の成長予想引き下げ オミクロン株踏まえ - ảnh 1(写真:THX/TTXVN)

2021年の成長率予想は7.0%と9月時点の予想(7.1%)から引き下げ、22年についても5.4%から5.3%に下方修正しました。

ADBは「アジア新興国では新型コロナ感染は弱まっていますが、世界的な感染拡大や広がりの速い変異株の出現は、パンデミック(世界的大流行)の収束に時間がかかることを示している」と指摘しました。オミクロン株の出現は、さらなる感染拡大の可能性があることを改めて示していると警鐘を鳴らしました。

中国の景気回復の鈍さなどの影響で、アジア新興国のほとんどの地域で成長予想が下方修正されました。

中国経済は昨年の落ち込みから著しい回復を見せたものの、ここ数カ月はコスト上昇や製造業部門の減速、不動産セクターの債務問題、根強い新型コロナ流行などを背景に失速しています。

ADBは中国の今年の成長率予想を9月時点の8.1%から8.0%に下方修正。来年は5.3%に減速すると見込み、従来予想の5.5%から引き下げました。

インドについては今年の成長率予想を9月時点の10.0%から9.7%に引き下げたが、来年の見通しは7.5%で据え置きました。

東南アジアの今年の成長率は3.0%と予想。第3・四半期に成長が鈍化したことを踏まえ、従来の3.1%から下方修正した。一方、来年の成長予想は5.0%から5.1%に引き上げました。

ADBはインフレについて、アジアでは引き続き統制可能と予想し、パンデミックに伴うリスクが続く中、今後も金融政策による景気支援が可能との見方を示しました。(ロイター)

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