エイズと共に生きる若者を支援する「アイダン・アダ」店
(VOVWORLD) - 世界エイズデーである12月1日に合わせ、各地でエイズ感染者支援の取り組みが行われていました。南部カントー市のレー・ヒエウー・ビンさんが営む店「アイダン・アダ」は、その代表的な活動の一つです。
ビンさん(左)とお客さん |
2023年7月、ビンさんはエイズ感染者を支援するための手工芸品店をオープンしました。最初はオンライン販売からスタートし、その後、実店舗を構えて活動を継続しています。現在は2つの支店を展開しています。第1支店は募金活動に、第2支店はキャンドルやエッセンシャルオイルの販売に力を入れています。ビンさんの話です。
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「単に商品を販売するだけでなく、お客様とつながりたいと考えていました。しかし、販売モデルの拡大に限界を感じ、ワークショップの開催に踏み切りました。キャンドル作りを皮切りに、絵画や工芸品など多様なワークショップを展開しています。店内には様々な手工芸品が並び、第1支店は募金活動に、第2支店は両支店の運営費をカバーする収益を生み出しています」
主に若者が訪れるこの店では、彼らは商品を購入するだけでなく、個性的な手工芸品作りを楽しみます。キャンドル、キーホルダー、陶芸、貝殻アート、アクセサリー制作など、約10万ドン(日本円で580円)で参加できるワークショップは人気を集めています。
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「店でブレスレット作りを体験しました。今日の時間はとても楽しく、充実していました。毎日忙しい学生生活の中で、ここではゆっくりとリラックスできます。ビンさんの丁寧な指導のおかげで、想像していたよりもずっと簡単に作品を作ることができました」
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「TikTokで偶然この店を知り、今日は友人を誘って訪れました。この店が社会貢献活動の一環として運営されていることを知り、少しでも支援したいと思いました」
「アイダン・アダ」店の商品 |
多様な商品を生み出すため、ビンさんは独学に加え、様々な手工芸品のワークショップに参加し、自らの技術を磨き続けてきました。
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「技術は独学で身につけたものもあれば、他のワークショップから学んだものもあります。キャンドル作り、絵画、花作りが私たちの主要なワークショップで、これらは店の『最初の子供』とも言えるでしょう。その後も新しいワークショップを次々と開発し、以前参加してくれたお客様が新しいプログラムにもリピーターとして戻ってきてくれています。」
ビンさん自身、HIV関連の社会的企業と協力し、検査トレーニングにも参加しています。そのため、彼はHIV感染者の心理や社会的課題について深い理解を持っています。感染者の多くが社会的偏見を恐れ、孤立しがちな状況を憂い、彼らの精神的な支えとなることを目指しています。こうしたビンさんは喜びと幸せを感じているとともに、周囲から評価されています。
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「ビンさんは本当にエネルギッシュな人です。彼は周りの人に常に前向きな力を与えてくれます。明るく、情熱的で、何より人の心に寄り添える素晴らしい人柄の持ち主なのです」
当初はHIV感染者を店内でアルバイトとして雇用することを試みましたが、彼らの心の壁を感じ、現在は必要に応じて薬代を支援する形に切り替えています。
家族や友人も彼の活動を全面的にサポートしています。カントー市に住むグエン・バン・トアンさんはビンさんとともに歩んでいる友達の一人です。トアンさんの話です。
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「ビンさんは最初、この活動について周囲に相談していましたが、私は彼の取り組みを全面的に支持しました。現在、HIV感染者の多くは医療保険の利用に躊躇しているため、私たちは彼らを可能な限りサポートしています。本当に意義深い活動だと確信しています」
控えめながら、ビンさんの活動は単なる支援にとどまらず、HIV・エイズに対する社会の意識を変える重要な取り組みとなっています。「アイダン・アダ」店を通じて、一人でも多くの人々に希望と支援の手を届けたい。それが彼の変わらぬ願いです。