バイチョイの維持、保存に取り組んでいるダナン市

(VOVWORLD) -2017年末、ベトナム中部の民俗芸能「バイチョイ(Bài Chòi)」が、ユネスコの無形文化遺産に承認されました。この出来事はバイチョイの維持、発展に重要な原動力を作り出しています。

バイチョイは、音楽や詩歌、演劇、絵画、文学などの多様な芸術的要素が融合したベトナムの民俗芸能です。この芸能は中部のクアンビン省、クアンチ省、トゥア・ティエン・フエ省、クアンナム省、クアンガイ省、ビンディン省、フーイエン省、カインホア省、ダナン市で古くから盛んに披露されてきました。

バイチョイの維持、保存に取り組んでいるダナン市 - ảnh 1

バイチョイはベトナムの伝統的旧正月テトの時期などに、ベトナム中部各地の農村や家庭で、身近な芸能遊びとして行われてきました。民謡を歌いながら、カードを使ったゲームを行ったりするもので、踊りや音楽、物語の口頭伝承などさまざまな文化的要素が含まれているのが特徴です。

元々、バイというのはゲームで、チョイというのは畑にある小屋という意味で、バイチョイというのは各々の小屋に座っている人々が互いにゲームをやるという意味です。

しかし、実際に、バイチョイにはそれぞれ名前の違う駒が30個、10種類の木の札があります。1つの札に駒の名前が3つずつ書かれています。参加者は木札を1種類選んで、親が舞台の上に吊るされた竹札を順番に見てゆきます。

その際、親は竹札に書かれた駒(こま)の名前に関連する民謡を歌います。参加者はそれを聴き、自分の木札に駒の名前があれば声をあげ、金の駒をもらい、木札に書かれた駒の名前が3つとも出揃った人が勝ちというわけです。

バイチョイで歌われる民謡は故郷への愛、父母愛、夫婦愛、道徳、社会弊害の批判、時代遅れの古い慣例などについて語るもので、誰にでも分かり、教育性が高いテーマです。

こうした理由で、バイチョイは単に娯楽ではなく、ベトナム中部にある各地方の独特の民謡を披露する場でもあると言えます。老若男女だれもが民謡を歌うことができます。

中部ダナン市はバイチョイの維持、保存のため、バイチョイを学校の教育カリキュラムに取り入れたり、バイチョイ・クラブを結成したりするなど様々な活動を行っています。

今年の夏休みにダナン市グーハインソン地区にある多くの中学校ではバイチョイを教えるコースが開かれました。ダナン市舞台協会の芸人は生徒らを教えました。レロイ中学校の生徒 チャン・ティ・トゥ・タオ( Tran Thi Thu Thao)さんは次のように語りました。

(テープ) 

「このコースに参加でき、嬉しいです。今、バイチョイを公演するやり方を練習しています。今後、クラスの文芸公演で、バイチョイを公演することを望んでいます」

レロイ中学校で開設されたバイチョイを教えるコースに多くの生徒が参加しています。父兄たちもこのコースを熱心に応援しています。

ダナン市舞台芸術家協会に属するバイチョイ・クラブの主任であるチンコンソン芸人夫妻はダナン市での学校にバイチョイを導入するプロジェクトに積極的に参加しています。ソンさんは「バイチョイが世界無形文化遺産として認定されたから、この文化遺産をきちんと、維持、保存しなければならない」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「生徒たちにバイチョイの公演のやり方を教えることができ、幸せに感じています。生徒たちはプロの芸人のようにうまく公演できるようになりました」

ダナン市の文化部門はバイチョイをさらに普及させるため、市内のバイチョイクラブを完備させるとともに、市内にある各地区でバイチョイ練習クラブを結成しました。

ダナン市にある各学校の音楽教師はバイチョイの公演に関する知識を身に付けられました。ダナン市グーハインソン地区の教育養成局のチャン・バン・ホン( Tran Van Hong)副局長は次のように語りました。

(テープ)

「今後、私達はバイチョイを学校の音楽科目に導入します。これにより、生徒たちがバイチョイを深く理解できるようになります」

このような取り組みにより、ダナン市だけでなく、バイチョイがよく披露されている各地方で、この芸能が今後も維持、保存されることでしょう。

今日のハノイ便はバイチョイの維持、保存に取り組んでいるダナン市についてお伝えしました。それでは今日はこの辺で。


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