今日のこの時間は中部トゥアティエンフエ(Thua Thien-Hue) 省にあるフォックティック村の古い民家である古民家の保存についてお伝えします。

フォックティック村はベトナム中部トゥアティエンフエ(Thua Thien-Hue) 省フォンディエン(Phong Dien) 県にあり、フエ市中心街から北西約 30km 離れた所にあります。 この村はクアンチ (Quang Tri) 省との境をなすオロウ (O Lau) 川がΩ状に湾曲する川に囲まれたデルタにあ り、緑と水に囲まれた中に伝統的建造物が散在する美しい村です。

フォックティック村へ行くため、かならず西側にかかる橋を利用しなければなりません。まだ、この橋がなかった昔、村人は舟で往来していました。村は７つ の集落  に分かれ、川沿いの道には集会所 (ディン) や氏族の祠堂 が面しています。

フォックティック村の古民家はいずれも所有者の手入れが行き届いており、緑の生垣に囲まれています。これらの古民家の敷地内には庭の敷地面積が広い割合を占めています。

フォックティック村の古民家は正面を除く３方をレンガによる壁をめぐらせ、躯 体を木造で造るのが一般的です。規模の小さな民家主 屋では、桁行５間で入母屋造とするもののほか、桁行３間の切妻造 とするものもあります。祠堂と異なって、外観 には屋根飾りなどの装飾を施さず、簡素な形態のものです。床は土と灰、石灰が混ぜたもので、湿気とシロアリを防ぐためのものです。

フォックティック村の古民家の意義について、フォックティック村の建築芸術遺跡管理委員会のグェン・ホン・タン( Nguyen Hong Thang) 委員長は次のように語りました。

（テープ）

「フォックティック村の古民家には地元の儀式を表わす建築様式があります。主屋の真ん中は先祖を祀る祭壇が置かれ、その前方を接客空間とする。それ以外の主屋両端部に Ｌ字形にできる脇室は、主室と間仕切り、庭に向かって右側を男性の寝室、左側を女性の 寝室とすることが多いです。」

古民家30軒もあるフォックティック村が2009年、国の遺跡として認定されました。時が経つと共に、フォックティック村の古民家も壊れてしまうようになり、最近、トゥアティエンフエ省は改修、復元工事を進めています。

2016年、トゥアティエンフエ省人民委員会はフエ市ならではの古民家の保存とその価値の発揮に関するプロジェクトを採択してから、フォックティック村の古民家を所有している25人はこのプロジェクトへの参加を申し込みました。2017年、同省は深刻に破壊した古民家3軒の復旧を行い、その経費は19億ドン（約9500万円）にのぼりました。復旧されたばかりの古民家の所有者の一人レ・ティ・ホア( Le Thi Hoa) さんは次のように語りました。

（テープ）

「この前、この家は大分壊れましたが、政府の支援により、きれいに改修されました。今後、この家が観光にも利用されれば、生活がよくなることでしょう」

長い歳月を経てきましたが、フォックティック村の古民家と氏族の祠堂が昔のまま保存されています。これは観光客を魅了しています。フォックティック村の古民家管理委員会のドァン・クェット・タン( Doan Quyet Thang) 副委員長は「フォックティック村は2020年をめどに、この村にある古い家屋25件が改修される目標を掲げている」と明らかにし、次のように語りました。

（テープ）

「現在、私たちはトゥアティエンフエ省、ひいては、文化スポーツ観光省に提出するため、古い家屋の改修のための申請書を作成しました。その後、技術評定報告が批准されるための手続きを行ないます」

古い家屋の改修は伝統的建築様式と文化を保存するだけでなく、観光発展にも寄与します。古い家屋が改修されてから、フォックティック村は観光客を迎える計画や環境衛生の確保を行い、観光発展を図っています。

今日のハノイ便りは、フォックティック村の古民家についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。