(VOVWORLD) - 2019年のカレンダーの出版部数は1380万部にのぼっています。
ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。まもなく2019年になりますね。ベトナムは旧暦で正月を楽しみますが、クリスマスから新年を迎える雰囲気もありますね。
ホアイ そうですね。新年の雰囲気を作る要素の一つは2019年のカレンダーです。11月から本屋さんなどで2019年のカレンダーの販売が始まっていますね。
ソン はい。日本と同様、新年に入る前に、ベトナムの家や会社には必ずカレンダーがかけます。2018年の最後のハノイ便りとなった今日のハノイ便りはベトナムの2019年のカレンダー事情についてお伝えしましょうか。
ホアイ はい。カレンダーの形式についてですが、ベトナムのカレンダーは日本と同様、壁掛け型、卓上型、日記型など、いくつかの種類があります。その中で最も多いのは壁掛け型と卓上型です。卓上型のほとんどは月ごとに印刷する表紙を含む13枚物ですが、壁掛け型は様々ですね。
ソン そうですね。壁掛けカレンダーの代表的な枚数は12か月分をまとめて1枚の紙に印刷した1枚物。3か月ごとまとめた5枚物、2か月ごとまとめた7枚物、1か月ごとに印刷する表紙を含む13枚物。そして、365日毎日めくる日めくりカレンダーです。実は、同じ壁掛け型でも、365枚物の大きさは手帳かノートのようであるのに対し、残りの壁掛け型の大きさは日本と同様、A2判、B3 判、B2 判が標準サイズとなっています。その意味で、ベトナムでは、365枚物と、残りの壁掛けカレンダーは別々に分類されていますね。
ホアイ そうです。また、毎日めくる日めくりは、それぞれの1日が1枚の紙に印刷されることから、その内容は日付や日曜のほか、十二支、ことわざ、有名人の言葉、景色の写真、絵などたっぷりです。このカレンダーはベトナムで一番人気がありますね。
ソン そうですね。一方、私は日本にいたとき、365枚物をあまり見かけなかったです。その点はベトナムのカレンダーと日本のカレンダーが違う点の一つです。そして、もう一つの点は、ベトナムのカレンダーには新暦と旧暦の2つが記載されているということです。カレンダーの大きな数字が新暦で、下にある小さい数字が旧暦です。ベトナムでは、通常使用される暦は、日本同様に新暦ですが、正月や結婚式、葬式などの行事は旧暦にそって行われています。
ホアイ ベトナム出版管理局によりますと、2019年のカレンダーの出版部数は1380万部にのぼっています。紙をはじめ、カレンダー印刷用の原材料の価格が値上がりしているので、2019年のカレンダーの価格は前年より10%増となっています。
ソン 紙の種類やデザイン、大きさなどによってカレンダーの価格は様々ですが、壁掛け型の5枚物の場合は2万ドン(約100円)が一般的です。人気がある壁掛け型の365枚物の場合は、65万ドン(約3200円)の物もありますが、20万ドン(約千円)の物が一般的です。
ホアイ 近年、ベトナムでは、カレンダーは日付・日曜などを表形式などで表示し、容易に確認できるものだけでなく、家に飾るだけのインテリア風にもなりつつあります。スマートフォンなどの普及によって、どこでもいつでも日付や日曜を簡単に確認することができるようになったからでしょうね。
ソン そのため、きれいな写真や絵があり美しくデザインされないと、売れ行きが悪くなります。ベトナムのカレンダー市場は厳しい競争にされされているようです。
ホアイ 買う人を引き付けるため、様々な写真や絵が使われています。今まで流行っていた景色や美人カレンダーのほか、ベトナムの名物料理や、世界の有名な発明、健康増進に必要な健康食品などにちなんだカレンダーがどんどん商品化されています。
ソン 2019年のカレンダーの中で特に注目を集めているカレンダーは、ホーチミン総合出版社とフォンナムカレンダー会社が共同で出版した「私の心の中のチュオンサ諸島」という物です。
「私の心の中のチュオンサ諸島」カレンダー |
ホアイ 国の海と島の保護と開発は人々が大きな関心を寄せている課題となっているのですね。
ソン そうですね。このカレンダーは週ごとに印刷されているので、53週にあたる53の写真があります。これらの写真は、ベトナム東部海域(南シナ海)にあるチュオンサ諸島の景色や、この諸島に駐屯している兵士の生活などを撮影した1000の写真の中から選ばれました。
ホアイ このカレンダーをみると、離島のチュオンサ諸島がより身近に感じると評されています。カレンダーを出版したフォンナムカレンダー会社のチャン・チエウ社長は次のように話しました。
(テープ)
「これは難しいテーマですが、ホーチミン総合出版社の協力を受けて、内容の面でもデザインの面でもうまくできました。特に、私たちは、全国の写真家や兵士、一般人がチュオンサ諸島を撮影した1000枚以上の写真の中から厳格に選んだうえで、チュオンサ諸島に関する最も優れた写真をカレンダーに印刷しました。」
ホアイ 一方、ヴァンラン文化株式会社は、身近な日常生活をテーマに集中させ、カレンダーを日常生活に欠かせない手帳にしてゆく方針です。同社の2019年のカレンダーの中で注目を集めているのは、「健康増進のための食生活」をテーマにした壁掛け型の365枚物です。カレンダーをみることで、1日に健康にいい食べ方を学ぶことができると、高い好評を受けています。
ソン そして、ベトナムの国花とされる蓮の花にちなんだ同社のカレンダーも好評のようです。ヴァンラン文化株式会社のキエウ・ミン・フン副社長は次のように話しました。
(テープ)
「蓮の花はベトナム人にとって最も馴染めのある花です。そのため、このカレンダーを見ると、様々な蓮の花を楽しむことによって癒されるでしょう。」
ソン 近年、カレンダーは内容の面でもデザイン面でも大きく変貌していると言えます。カレンダーは、依然として日付や日曜を確認するものであり、ベトナム社会の変貌を物語るものともなっていますね。ではおしまいに、一曲お送りしましょう。
(曲)
「 」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムのカレンダー事情についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。