(VOVWORLD) -ベトナム写真家ハ・トウオンさんは、主に芸術系の肖像写真を撮影する人です。彼の肖像写真は、本人の思考や人格、運命などを表しています。
ハ・トウオンさんと彼のある写真展の開幕式典の様子 |
1942年に生まれたハ・トウオンさんは、18歳時から撮影業を開始しました。これまでに、彼は、知識人やアーチストなどの数百万枚もの肖像写真を撮り、保管しています。これは、巨大な資料写真となっていることでしょう。彼のカメラは、ベトナムの著名な作家、美術家、詩人、芸術家、ジャーナリスト、学者、歴史研究者、政治家などの顔を写真に収めてきました。
ハ・トウオンさんにとって肖像写真の撮影は、興味があるようです。
(テープ)
「人物を撮影することが大好きです。というのは、写真の本人は違うので、人物写真を撮れば撮るほど納得できなくなるからです。例えば、ベトナムの著名な画家ブイ・スアン・ファイさん、あるいは、作曲家バン・カオさんを撮る時、その本人の人格を的確に示すように工夫を凝らさなければなりません。」
写真家ハ・トウオンさん(右)と作曲家バン・カオさん |
写真家ハ・トウオンさんについて詩人・作曲家のグエン・トウイ・カさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「ハ・トウオンさんは個性的な人です。好きじゃない人から頼まれた場合、絶対にその人物を撮影しません。でも、撮りたい人がいたら、その人物をいくら撮っても諦めませんよ。彼の撮り方は、人物の動きを指示せずに、人物の動きのままに自然な表情を撮ることです。」
実際、ハ・トウオンさんが撮影した肖像写真は、人の魂を震えさせ、それぞれの人物の強い個性を示すものばかりです。写真家ディン・クアン・タンさんは次のように語りました。
(テープ)
「私は、ハ・トウオンさんと一緒に、全国各地を回って、写真を撮りに行ったことがあります。ですから、彼の撮影方法を良く知っています。それは、芸術のために心のこもったアーティストです。彼は、多くの著名な作家、芸術家と仲良くなっているので、それぞれの人物の感情や個性を深く理解し、それらの有名人の最もダイナミックな瞬間と最も生き生きとした表情を引き出して、撮影したわけです。彼の肖像写真を見て、普通の肖像写真と違うことがわかります。この肖像写真の人物は、椅子に座るだけではなく、道を散歩したりすることもできるからです。」
ハ・トウオンさんさんは、さらに次のように語りました。
(テープ)
「私は、自分が好きな人だけを撮影します。素敵な写真が出来るまで、繰り返し撮ります。写真家であるならば、美しさを実感しなければなりません。同僚から羨ましがられて、とても感動しています。」
これまでに、写真家ハ・トウオンさんは、ベトナム写真家協会から30点あまりの賞状を授与されています。また、数回にわたり、大規模な写真コンテストの審査員を務めました。年をとった今なお、数百キロメートル離れたところにある少数民族居住地に行き、写真を撮っています。