フーコック島のナイトマーケット

ここは活気あふれる買い物エリアで、訪れた人々は地元ならではの特産品に出会い、素朴で親しみやすいフーコック島の人々との会話を楽しむことができます。

フーコック最大の川・ズオンドン川の両岸に停泊し始めた漁船の灯りがともるとナイトマーケットはスタートします。川沿いに位置しているこのナイトマーケットには100軒を超える屋台があります。

このナイトマーケットに入ると観光客は炭火で焼かれる海鮮の香ばしい匂いを味わえるほか、ジュージューと音を立てるタコ焼き台、そして漁師が獲ったばかりの透明なイカが元気よく跳ねる様子を目にできます。南部ドンナイ省から訪れたグエン・ティ・ホアさんは次のように話しました。

（テープ）

「最初は観光地だから何もかも高いと思っていたんですが、入ってみたら全部安くて驚きました。すごく庶民的な値段です。歩きながら好きなものを見て、食べたいものを選べます。新鮮なイカもおいしくて、とても満足できるタコ料理が食べられます。今回の旅行をきっかけに、家族や友人にもフーコックを紹介したいと思いました。」

フーコック産の真珠を展示・販売する店

フーコックは海で養殖される真珠の産地としても知られています。そのため、このナイトマーケットにはフーコック産の真珠を展示・販売する店が数多く並んでいます。これらの店では、美しく加工された真珠のアクセサリーを眺めながら、自然に恵まれたこの島で行われている真珠養殖について説明を聞くことができます。

さらに、貝殻や海の素材で作られた手づくりのブレスレットやアクセサリーなど、庶民的なお土産を扱う屋台もにぎわいます。貝殻のブレスレットを販売するマイ・ホアン・アインさんは次のように述べました。

（テープ）

「例えばネックレスなら、自分でデザインしたり、インターネットを参考にしたりして、職人さんに送ります。職人さんが作って届けてくれるんです。素材の貝は海で拾ったり、貝料理のお店からまとめて買ったりします。お客さんが多い季節には、収入も安定しますよ」

タイに在住しているベトナム人の観光客チン・フォン・マイさんは、娘への土産を選んでいながら、次のように述べました。

（テープ）

「ナイトマーケットには観光客のにぎわいがあって、地元の観光発展の可能性も感じられます。それに、ここではベトナムらしいお土産を見つけることができるのも魅力です。今日は小さなかわいいブレスレットを2つ買いました」

（現場の音）

ファム·・バン・トーさん

ナイトマーケットのにぎわいの中、ひときわ小さな屋台からは、男性が革製の財布に模様を打ち込む軽快なハンマーの音が響きます。ファム・バン・トーさんは、木々、飛行機、月、そして「Phu Quoc」の文字など、お客さんの要望に応じて財布やパスポートケースにその場で丁寧に飾り付けをしていきます。このナイトマーケットにはトーさんのような器用な職人が多く、名前や生年月日など、旅行者の好みに合わせて個性的なデザインを作り上げます。トーさんは次のように語りました。

（テープ）

「これはパスポートケースです。これが国内向けの財布ですね。お客さんの好みに合わせて、いろいろデザインを加えていきます。だいたい1か月くらい学べば作れるようになりますが、器用さが必要なんです。誰にでもできるわけではありません。」

にぎやかなフーコックのナイトマーケットを後にすると、観光客の手には、名産の魚醤、香り高いコショウ、30種類の味が楽しめるピーナッツ、そして海を感じる手づくりの土産物など、この土地ならではの小さな贈り物が残ります。島の人々の温かく素朴な夜の暮らしは、フーコックを訪れる観光客にとって忘れがたい思い出となることでしょう。