カイラン（Cai Rang）水上マーケットはメコンデルタ最大の水上マーケットです。カントー市から6キロ離れたところにあり、市内の船着き場からボートで30分ほどの距離です。

イギリスの最も人気旅行誌「ラフガイド」はこの市場を世界で最も印象的な市場のトップ10の一つとして選んでいます。現在、カントー市は自然と人工が調和するという方向に沿って、この市場の保存発展プロジェクトを展開しています。

カイラン水上マーケットは毎朝3時から正午まで開かれ、ピークは5時～8時頃までです。水上マーケットには大型の船と小型の手漕ぎボートが行き交っています。大型の船は卸売の船で、小型の手漕ぎボートが日用品、食べ物などを売る小売の船です。この水上マーケットはメコンデルタの独特な文化を示すだけでなく、カントー市に足を運ぶ観光客にとって見逃すことができない観光スポットの一つです。

2018年、カイラン水上マーケットが文化スポーツ観光省により、無形文化遺産として認定されました。その後、カントー市はこの市場の保存発展プロジェクトを展開し、その投資総額は２７０万ドルにのぼっています。

カントー市カイラン区の人民委員会のブオン・コン・カイン副委員長はこのプロジェクトには環境保護、社会福祉などの他、カントー川の護岸も建設されます。特に、カイラン水上マーケットがある区間には特別な設計があると明らかにし、次のように語りました。

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「この護岸工事が完成してから、商品の輸送に便宜を図ります。また、この地区の景観も改善されます」

現在、毎日、カイラン水上マーケットでは２５０～３００隻もの船で農産物の卸売りが行われる他、３０隻の小舟が果物と地元の食材が小売りされています。また、観光客の輸送を目的とする船が200隻くらいある時もあります。

文化研究者ニャムフン氏は「形成してから百年が経ったカイラン水上マーケットは卸売り市場で、南部メコンデルタ地域の代表的な商品が販売されている。そのため、この市場を保存、発展することは水上マーケットの交易活動を保存しなければならない」と明らかにし、次のように語りました。

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「将来、カイラン水上マーケットが昔ながらのカイラン水上マーケットと新たに形成されるカイラン水上マーケットから構成されます。そのため、カイラン水上マーケットの保存は適切なやり方で、そして、地元の人々の願望に配慮しながら実施すべきです」

カイラン水上マーケットの昔からの独特な光景を復活させるため、カントー市は物売りのかけ声、河川での歌垣や南部の伝統的民謡ドンカータイトゥなどを再現する模型を研究しています。

これと同時に、カイラン水上マーケットを含め、カントー市を見学する観光ツアーを企画します。カントー市文化スポーツ観光局のグエン・カイン・トウン局長は次のように語りました。

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「私たちは地元の文化にかかわる活動を優先的に展開します。そして外国語を教える他、伝統的民謡ドンカータイトゥの公演など共同体での文化活動を行います」

カイラン水上マーケットはカントー市を含め、南部メコンデルタ地域の観光発展に重要な役割を担っています。カイラン水上マーケットの保存は南部メコンデルタの独特な文化の保存だけでなく、観光発展に寄与することでしょう。