ベトナム最南端にあるカマウ省の省都カマウ市から40キロ離れた所にティトゥン（Thi tuong）という湖があります。ティトゥン湖は南部メコンデルタの中で最も広い湖で、カマウ省に足を運ぶ観光客を虜にしています。

伝説によりますと、昔、ここにこの地区を開墾することに大きな貢献をしたティトゥンという女性が住んでいたことから、その女性の名前を付けたそうです。

ティトゥン湖の長さは12 km、幅は最も広いところは2 kmもあり、この湖からタイランド 湾に行くことができます。

かつて、この湖に行くのは大変でしたが、現在、その道が改修されたおかげで安易になっています。行く途中、観光客は両側にある美しい自然風景を存分に眺めることができます。この湖を探検するため、観光客はエンジン付きボートに乗って、さわやかな風を感じながら、湖の風景を堪能できます。

現場の音

この湖にはハイガイという具の養殖者の小屋が浮んでいます。時々、水産物を水揚げする地元の人々の姿も見かけます。南部キエンザン省からやってきた観光客グエン・バン・ゴ( Nguyen Van Ngo) さんは次のように語りました。

（テープ）

「この湖が昔からあります。これは自然の湖であり、湖畔にあるヤシ林とマングローブ林も自然のものです。湖では水産物の養殖場になっています。この湖は手付かずの美しさがありますよ」

ティトゥン湖は豊富な水産物の資源に恵まれているため、湖の周りに住んでいる住民はいずれも水産物の養殖や、水揚げで生計を立てています。ここではティトゥン協同生産組合の他、いくつかの世帯も観光サービス業を営んでいます。ティトゥン湖で観光業に携わっている世帯の一人フィン・トゥイ・キエウ( Huynh Thuy Kieu) さんは次のように語りました。

（テープ）

「この15年、ここで経営をしてきました。現在の顧客の数は前と比べて2倍になっています。観光客はいずれもこの湖の美しさに魅了されるだけでなく、ここでの食べ物が美味しいので満足しています。値段は一人にあたりおよそ１０万ドン、約５００円ですよ」

また、ティトゥン湖に足を運ぶ観光客はセオドゥク県の党委員会の革命根拠地の遺跡を見学することができます。

ここを訪れると、観光客はかつての戦争中における地元の革命戦士の勇敢な戦いをある程度ですが、理解できます。2007年、この革命の根拠地が省レベルの歴史遺跡として認定されました。地元の漁民の一人ファン・バン・メ( Phan Van Me) さんは次のように語りました。

（テープ）

「ティトゥン湖は観光スポットとしてだけでなく、セオドゥクという革命根拠地があります。これは若い世代を対象とする愛国伝統を教育する場所でもあります。毎年の夏におよそ１万人の観光客はこの湖を訪れます」

今後、地元の行政府とティトゥン協同生産組合は観光インフラの改善に力を入れます。今後、この湖の魅力がさらに増えることでしょう。