キェンザン省のドンカータイトゥ


キェンザン省のドンカータイトゥ - ảnh 1

南部キェンザンは手付かずの美しさをもつ島や穏やかな雰囲気に包まれている漁村があり、観光客をとりこにしています。しかし、この土地に足を運ぶ観光客は地元の芸人が演奏するベトナム南部の民間芸能ドンカータイトゥ( Don ca tai tu) を抜きにして語ることはできません。

現場の音

これは地元の多くの民間芸人がよく演奏するドンカータイトゥのメロディーです。

これらの芸人は元々農民ですが、ドンカータイトゥを愛することから、この芸能を演奏するのです。ドンカータイトゥは元々はフエの宮廷雅楽から派生したもので、19世紀の終わり頃にベトナム南部で広まり、南部を代表する民間芸能になりました。ドンカータイトゥは漢字では「琴歌才子」と表記されますが、琴に合わせて歌う才子という意味だそうです。ベトナム語で、才子は楽器も歌もできるという意味があります。ドンカータイトゥはプロの音楽家によるパフォーマンスというよりは一般の農民の娯楽として演奏されます。

ミーラムというドンカータイトゥクラブのメンバーの一人であるグェン・テイ・トゥイ( Nguyen Thi Thuy) さんは「現在、キェンザン省には157のドンカータイトゥクラブがあり、そのメンバーは約1700人である」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「このクラブは一ヶ月に一回練習を行います。これは新しい農村作り運動であるだけでなく、地元の伝統的文化の保存にも寄与するとされています。これは南部メコンデルタの独特な民間芸能で、一般の住民が集って、農作業の後などに演奏する事ができます」

2013年、ユネスコ=国連教育科学文化機関はこのドンカータイトゥを人類の無形文化遺産として認定しました。これはこの芸能の維持、保存だけでなく、ここに運営されているドンカータイトゥクラブのメンバーにとって大きな励ましとなっています。キェンザン省で毎年開かれるグェン・チュン・チョックという民族英雄の恩を偲ぶ祭りには儀式の他、ドンカータイトゥの演奏は欠かせない一部となってきました。キェンザン省ラックザ市にあるドンカータイトゥクラブのメンバーの一人であるラ・バン・タイ( La Van Tai) さんは次のように語りました。

(テープ)

「私たちのドンカータイトゥクラブのメンバーはよく集まって、練習をします。 クラブの仲間だけでなく、他の人たちと交流して、自分が作詞した歌を互いに紹介しあいます。これは文明的な生活作りに寄与する活動だと思います」

ドンカータイトゥクラブの活動により、観光客は南部メコンデルタの独特な芸能を深く理解できるようになります。北部ハイズオン省からの観光客グェン・トゥ・フオン( Nguyen Thu Huong)さんは次のように語りました。

(テープ)

「キェンザン省を訪れている私たちはこの地の美しい自然風景を眺めるほか、地元の民間芸人が演奏するドンカータイトゥを楽しむことができ、嬉しいです。」

現場の音

キェンザン省の住民にとって欠かせない精神的な糧となってきました。この芸能に対する地元の民間芸人の熱心により、この芸能が今後も、維持、保存されることでしょう。


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