(VOVWORLD) -このプロジェクトはUN-Habitat=国連人間居住計画(ハビタット)や、韓国国際交流財団、ホアンキェム区人民委員会の共催により実施されたものです。
ベトナムで、見事な壁画がある場所として、すぐに思いつくのは中部クアンナム省タムタイン村やクアンガイ省リソン島などですが、実はハノイ市内にも美しい壁画通りがあります。これはフンフン(Phung Hung)壁画ストリートです。
フンフン壁画通りは2010年ハノイ遷都千年にフンフン公共芸術プロジェクトの展示空間として始まり、先頃完成しました。このプロジェクトはUN-Habitat=国連人間居住計画(ハビタット)や、韓国国際交流財団、ホアンキェム区人民委員会の共催により実施されたものです。韓国の芸術家たち、及び、グェン・テー・ソン画家と同僚がフンフン通りを通る堤防沿いをタイル壁絵で描いた壁画です。
これらの壁画を通じて、観衆は昔のハノイの佇まいを実感できます。それは中秋節のグッズを販売するハンマー通りであったり、また、チャンティン通りの総合デパート、あるいは、天秤棒で行商する人々などの姿です。このプロジェクトについて、グェン・テー・ソン画家は次のように語っています。
(テープ)
「これは現代芸術を路上に登場させるための初のプロジェクトです。現代芸術プロジェクトの特徴としてあげられるのはその壁画を絵として見るだけでなく、写真、3D画像、彫刻、インタラクティブ映像など様々な芸術ジャンルがあるということです。このプロジェクトに着手する前に、私達はまずフンフン通りとハノイの歴史を研究しなけれなりません」
フンフン通りの壁画はそれぞれ、「千年の歴史を持つハノイが変貌しつつあるものの伝統的文化が維持、保存されている」というメッセージを込めています。先ほどのグェン・テー・ソン画家はさらに次のように語りました。
(テープ)
「人々はフンフン通りに描かれた壁画を見ると、昔のハノイの様子を思い出します。共同体の芸術はこれらの景観につながっており、共同体の記憶を引き起こします」
フンフン通りの壁画はハノイ市民は元より、ハノイに足を運ぶ観光客の多くがここに来て、散歩をしたり、写真を撮ったりしています。ハノイ市テイホ地区に住むファム・フェン・トゥン( Pham Huyen Thuong) さんは次のように語っています。
(テープ)
「壁画があるフンフンに行くと、昔のハノイを思い出すことができます。面白く感じます。そして、これらの壁画を描いた人々は本当にハノイを愛していますね。私は友達にこれらの絵を紹介しますよ」
フンフン壁画の通りは撮影スポットであるだけでなく、スケッチや民間遊戯が行われる場所としても知られています。これは歴史と現代芸術を結合させる場所となっています。ハノイ市ドンダ地区に住むグェン・タイン・トゥン( Nguyen Thanh Tung) さんは次のように語っています。
(テープ)
「フンフン通りに描かれた絵は昔のハノイの姿を再現しています。私にとってそこは毎週末、家族と共に散歩に行く場所です」
これらのことから見て、フンフン壁画の通りはハノイ旧市街の文化的価値の保存に寄与していると言えるでしょう。また、それは人々に新しい公共空間を作り出しています。これからも、路上の芸術が観る人を楽しませる最善の場となることでしょう。