ベトナムでは一年を通して市場が開かれています。都会には大きな市場がありますが、農村部の村には小さい市場があります。それぞれの市場には名前が付けられています。これらの名前を見るとその土地の文化をある程度理解することができます。
(写真:zoomtravel.com)
ベトナムではそれぞれの地区には市場があります。どんな市場であっても名前が付いています。20年間にわたり、ベトナムの市場を題材とした写真を撮り続けてきた写真家ホ・ダイ・フォック( Ho Dai Phuoc) さんは次のように語っています。
(テープ)
「市場の名前はその市場が置かれた村や地区の名前と同じです。村や町の名前をもつ市場が多くありますが、県の名前をもつ市場もあります。そのため、市場の名前を見ると、その市場がどこにあるかが分かります」
都会にある市場は夜遅くまで開いていますが、農村部や沿海地帯にある市場は朝、又は、夕方だけ開かれます。山岳地帯に行くと数日に一度開かれます。
農村部には村の門や水汲み場、ガジュマルの木陰など人が多く集まる場所ならば、たいてい市場になっています。それぞれの地方の必要性と習慣により、市場が開かれる時間帯が異なります。午前1時から4,5時まで開かれる市場もあれば、夜6時から始まる市場もあります。
通常、市場は川沿いや道路沿いなど、交通が便利な所で開かれますが、河川が入り組む南部メコンデルタ地域では、地元の住民は小舟で行き来することから、市場は水上で開かれます。
市場の名前も様々です。米を卸売りする市場ならば、米の市場と名付けられます。ホーチミン市には大きいな市場という意味をもつ「チョロン」があります。マングローブの木が多く植えられる地区に開かれる市場は「マングローブ市場」と呼ばれ、竹が多くある地区に開かれる市場は「竹の市場」と呼ばれます。
「ロン」 市場(写真:dulichvietnam.com.vn)
そして、北部ナムディン省や北部港湾都市ハイフォンでは緑という意味の「サイン」( Xanh) という市場と龍という意味の「ロン」( Rong) 市場があります。野菜を売る市場ならば、緑という意味の「サイン」という市場と名付けられます。そして、エビや魚を売る市場は龍という意味の「ロン」( Rong) 市場と名付けられます。北部山岳地帯にそれぞれの地区に「ラブ・マーケット」という市場があります。カウバイという「ラブ・マーケット」に行ったハノイの観光客ファム・ザ・カイン( Pham Gia Khanh) さんは次のように語りました。
(テープ)
「市場に行くのは、売ったり買ったりするだけではありません。カウバイという「ラブ・マーケット」に行くと少数民族の男女の横笛の音や歌声、舞りだけを見ることもできます」
ベトナムの市場の名前は本当に様々で、ベトナムならではの文化を表わしているのかもしれません。