中部の“仙郷”と呼ばれる古きロックイエン集落を探検

(VOVWORLD) -ダナン市タインビン村にあるロックイエン古集落は、ベトナム中部地方の“仙郷”とも称される美しい半山地にあります。
中部の“仙郷”と呼ばれる古きロックイエン集落を探検 - ảnh 1空高くから見えたロックイエン集落

丘陵と盆地、清らかな小川、そして田畑が織りなす風景の中に、山の斜面に寄り添うように建つ古い民家が今も残り、それぞれが長い歴史の物語を静かに語りかけます。

古老たちの話によりますと、この地の開拓は15~16世紀に始まりました。しかし正式には18世紀にこの集落は誕生しました。時を重ね、多くの世代を経て、ロックイエンは独自の文化的価値を育み、2019年9月に国の文化遺産に指定されました。これはベトナムで最も古い4つの村のひとつとして知られています。
現場の音 
中部の“仙郷”と呼ばれる古きロックイエン集落を探検 - ảnh 2ロックイエン集落にある古い民家
ロックイエン集落は、中部クアンナム省の特有の素朴な村の風情を持っています。木々の緑に包まれた古民家が静かに佇み、丘や小川、田畑と調和した美しい景観を描き出しています。なかでも注目すべきは、ロックイエンにしかない「石の文化」です。
地元の人々は半山地という地形を活かし、石を積み上げて、土地を守り、道を作り、景観を整えてきました。石は単なる素材ではなく、村の“魂”そのものなのです。画家グエン・トゥオン・ヒーさんは次のように述べました。
(テープ)
「ロックイエンの人々は自然に寄り添う暮らしをしてきました。周囲が山と石に囲まれていることから、地元の人々は石を積み、土地を整え、道を作り、生産用地を築いたのです」
歳月を経て、苔むした石畳の小道はロックイエン集落のシンボルとなり、一枚一枚の石に村人たちの知恵と愛郷の心が刻まれています。ロックイエン集落の住民 ダオ・ミン・チンさんは次のように述べました。
(テープ)
「私たちは古い石の小道を守りながら、新しい道も積み上げ、エコツーリズムに活かしています。どの家にも石の小道があるんですよ。」
中部の“仙郷”と呼ばれる古きロックイエン集落を探検 - ảnh 3古い民家
現在、村には築100年から200年近くの伝統的木造家屋が8棟保存されており、いずれも、昔のクアンナム省の建築様式を今に伝えています。中でも最も古いのが、1850年に建てられたグエン・ディン・ホアン氏の旧家です。12年をかけて完成したこの建物は、面積およそ100平方メートルで、36本の野生のジャックフルーツの木の柱が支え、繊細な彫刻が施されています。家の管理者 グエン・ディン・マインさんの話です。
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「私が生まれたときからこの家はこの姿のままです。家を建てたことに使う資材はすべてジャックフルーツの木です。中央の間は祖先を祀る場所で、昔から何も変わっていません」
ロックイエン集落の古民家を包み込むように、緩やかに曲がりくねる石畳の小道が続いています。道の両側には手入れの行き届いた濃い緑のチャノキが整然と並び、その奥には果樹の実る庭が広がります。
中部の“仙郷”と呼ばれる古きロックイエン集落を探検 - ảnh 4ロックイエン集落の子供たち

この村落を訪れた人々は、穏やかな田園の暮らしに触れ、地元の伝統文化や、勤勉で忍耐強い“仙郷の人々”の精神を感じ取ることができます。中部高原地帯テイグエン地方ラムドン省から訪れた観光客 ファン・ティ・タイさんは次のように述べました。

(テープ) 
「ここへ来るのは初めてですが、本当に美しいところです。山の空気が澄んでいて、とても静かです。何よりも、戦争の被害を受けず、昔のままの古い民家が多く残っているのが印象的でした」
素朴で、手つかずの自然に包まれたロックイエン集落の静けさこそが、多くの人々に“癒し”を与える理由です。時間がゆっくりと流れるこの集落は、都会の喧騒を離れ、心を休めたい人にとって理想の場所といえるでしょう。

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