国の遺跡・トゥンクン( Thuong Cung) 村の集会所「ディン」
(VOVWORLD) -およそ400年前に建てられたこの集会所は1991年8月3日、当時のベトナムの文化省により「国の遺跡」として認定されました。この集会所には現在、貴重な文化・歴史的価値があります。
トゥンクン村の集会所「ディン」(Dinh)は今まで残されている古い集会所の一つです。この集会所はハノイ南方郊外にあるトゥオンティン県ティンフォン村トゥンクン集落に位置しています。
およそ400年前に建てられたこの集会所は1991年8月3日、当時のベトナムの文化省により「国の遺跡」として認定されました。この集会所には現在、貴重な文化・歴史的価値があります。
トゥンクン村はハノイの中心地から南へ約15キロ離れた所で、ヌエ( Nhue) という川の左岸に位置しています。この集会所は17世紀初頭に建立されました。ベトナムの集会所の殆どは南向きですが、この集会所の正面は北向きで、ベトナムの集会所の建築としては珍しいものです。
トゥンクン村の集会所は14世紀から15世紀初頭のレ(黎)王朝時代の集会所の建築様式を持っています。屋根を支える柱は「リム」( Lim)という木でできています。このリムはキクイムシも食わないといわれるほど頑丈な木で、ベトナムで価値ある建築物の主な資材として使われています。集会所の屋根と柱には精緻なレリーフがあり、建物の中に、龍と鳳凰の架空の霊獣、花、雲などの細かい彫刻があります。トゥンクン村の集会所の守衛ファム・バン・ニャン( Pham Van Nhang) さんは次のように語りました。
(テープ)
「トゥンクン集会所は1637年に建立が始まりましたが、その後、幾度も改修されてきました。しかし、昔のままの建築様式が保たれています。現在、この集会所には2つの剣、木造の鶴、レ朝の公文書、対句などが保存されています」
史書によりますと、トゥンクン集会所はこの村にある神様を祀っています。これは王様の命令により、北方からの外国侵略者を打ち破ったトゥンクン村出身の3人です。トゥンクン村のお年寄りの一人ズオン・テイ・フイ( Duong Thi Huy) お婆さんは次のように語りました。
(テープ)
「村の伝説によりますと、村の3人が王様の命令に応え、外国侵略者との戦いに参加しました。3人はトゥンクン村を出発して、中部に向かいました。どこに行っても、勝利しました。3人が泊まった場所に、地元の人々が神社を建てました。この3人を祀る神社は地域内に72箇所があります」
トゥンクン村の祭りは毎年旧暦8月に開かれます。これは村人がこの3人の大将の功労を偲ぶためのものです。先ほどのトゥンクン村のお年寄りの一人ズオン・テイ・フイお婆さんは次のように語りました。
(テープ)
「トゥンクン村の祭りは毎年旧暦の8月11日に始まります。11日に、3人の神様を供養する儀式が行なわれますが、翌日の12日に、村人はご馳走を食べたり、演芸大会を行ったりします。」
トゥンクン村の集会所で保存されている資料は昔からの集会所の建築や美術を研究する活動に役立っています。また、トゥンクン村の美しい景色はこの集会所の価値を増しています。