(VOVWORLD) -ベトナム最南端に位置するカマウ省にはおよそ14万ヘクタールのマングローブ林とヒルギダマシ林があります。住民は、持続可能な森林開発を効果的に行うことで、森林の保護と再生に貢献しています。
大多数のマングローブ林などはエコツーリズム開発に役立っています。例えば、ダットムイ村ムイ集落にある「ホアンホン」という名前のコミュニティ観光地区を訪れる観光客は、マングローブ、またはヒルギダマシの種子を直接植えて、名入り看板をとりつけます。毎年、観光地区のスタッフは、その木の写真を撮って、木を植えた観光客に送ります。
「ホアンホン」という名前のコミュニティ観光地区の代表者グエン・チュン・キエンさんは次のように明らかにしました。
(テープ)
「広い土地の所有者たちは、地方行政府の支援を受けて、ホームステイといった観光サービスを提供します。これにより、地元の経済と住民の生活が次第に改善されるようになっています」
グエン・ミン・ドアさん一家はコミュニティツーリズムのサービスを提供している世帯の一つです。
(テープ)
「観光客は、手付かずの自然に触れることのできる場所、あるいは自然豊かな場所へ足を運びたいと考えています。ですから、私たちは、マングローブ林とヒルギダマシ林の開発をしながら、観光サービスを提供するのです」
エコツアーのほか、エビの養殖も住民の生活改善に貢献しています。ゴックヒエン県の住民は、主に、エビ養殖とマングローブ植林を組み合わせた複合経営を行っています。現在、同県にある5万7000へクタルのマングローブ林の内、およそ2万1000ヘクタールで養殖されたエビは、国際組織から環境にやさしい健康なエビ「エコシュリンプ」と認定されています。
ゴックヒエン県人民委員会のチャン・ホアン・ラック委員長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「農業技術者は、地元の殆どのエビ養殖者に訓練コースを開催し、エビの養殖方法などを教えました。これまでに、多くの農家は、マングローブ林とヒルギダマシ林において良質なエビを効率よく、環境負荷の少ない方法で生産しています」
他方、ウミンハ地区チャンバントイ県カインビンタイバック村の村民たちは、メラルーカの森の造林、養蜂と養魚を行うと同時に、コミュニティツーリズムを実施しています。
村民の一人は次のように明らかにしました。
(テープ)
「我が家は、養蜂をしながらホームステイのサービスを提供しています。宿泊客は、ハチミツの採取を体験できます」
さらに、カマウ省の住民はウミンハ森にアカシアを栽培しています。アカシアの経済的価値はメラルーカの約3倍です。そこで、ウミンハ森におけるアカシアの栽培面積は急速に拡大し、現時点で3万ヘクタールに上っているようです。同省は、カーボン・クレジット市場を展開する方針です。
カマウ省農業農村開発局のチャン・バン・トウック副局長は次のように明らかにしました。
(テープ)
「同じ面積の土地で比較すると、マングローブ林は地上の森林の3∼4倍もの炭素を吸収します。従って、カーボンクレジット売上高は高くなるでしょう。カーボンクレジット市場を開設しようと思っている国内外の多くの組織や企業は、カマウ省へ視察しに行きました」
カマウ省の住民はエビや魚の養殖とマングローブ植林を組み合わせた複合経営を行うことにより、収入を高め、さらにマングローブ林等の持続可能な開発に貢献しています。